糖代謝について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
選択肢4は、糖新生の定義として正しいです。選択肢5は、DPP-4のインクレチン分解作用について正しく述べています。DPP-4阻害薬が2型糖尿病治療に利用される背景知識も重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. ソマトスタチンはインスリンだけでなく、グルカゴンや消化管ホルモンの分泌を抑制するホルモンです。血糖値の過度な変動を抑える働きがあります。正しくは:ソマトスタチンはインスリン分泌を抑制する。選びやすい理由:ホルモンの名前と作用を混同しやすいため。混同注意:インスリン分泌を促進するインクレチン(GLP-1、GIP)などと混同しやすい。
- 2. インスリン抵抗性は、インスリンが体内で十分に分泌されていても、その作用が標的細胞(筋肉、脂肪、肝臓など)で適切に発揮されない状態を指します。分泌量の低下とは異なります。正しくは:インスリン抵抗性は、インスリンの作用が標的細胞で十分に発揮されない状態である。選びやすい理由:インスリンが関わる状態なので、分泌異常と安易に結びつけてしまう可能性がある。混同注意:インスリン分泌不全(膵β細胞の機能低下による分泌量の減少)と混同しやすい。
- 3. インスリンはプロインスリンが分解されて生成される際、C-ペプチドと1対1の分子数比で分泌されます。C-ペプチドはインスリン分泌能の指標として用いられます。正しくは:C-ペプチドとインスリンは、1対1の分子数比で放出される。選びやすい理由:分子数の比率に関する知識が曖昧だと誤った選択肢を選んでしまう可能性がある。混同注意:インスリンの多量体形成や、他のペプチドホルモンとの比率と混同しやすい。
- 4. 正解。糖新生は、主に肝臓で行われる代謝経路で、乳酸、アミノ酸、グリセロールなどの非糖質由来の物質からグルコースを生成し、血糖値を維持する重要な役割を担っています。ピルビン酸はその代表的な中間体です。
- 5. 正解。DPP-4は、GLP-1やGIPといったインクレチンホルモンを速やかに不活性化する酵素です。この酵素の働きを阻害することで、インクレチンの作用時間を延長し、血糖降下作用を高めるDPP-4阻害薬が2型糖尿病の治療に用いられています。
国試ポイント
糖代謝に関する基本的なホルモン作用、代謝経路、関連酵素の役割についての正確な知識が問われています。特に、ホルモン作用の促進・抑制、分子数比、代謝経路の基質・生成物、酵素の基質特異性など、細部の理解が求められます。
混同注意
ホルモンの促進/抑制作用、分泌不全/抵抗性、分子数比、代謝経路の名称と基質/生成物を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、各ホルモンの分泌調節因子、各代謝経路の主な臓器、および各酵素の作用部位や阻害剤の有無に着目して判断する。
関連知識
インスリン、グルカゴン、ソマトスタチンの作用機序。インスリン抵抗性の病態生理。C-ペプチドの臨床的意義。糖新生の経路と律速酵素。インクレチンの生理作用とDPP-4阻害薬の薬理。