肺活量 2.00 L、1回換気量 0.50 L、予備呼気量 0.80 L、最大吸気量 1.20 L、機能的残気量 1.90 Lであった。残気量[L]はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
残気量(RV)は、機能的残気量(FRC)から予備呼気量(ERV)を引くことで求められます。問題文のデータから、FRC = 1.90 L、ERV = 0.80 Lであるため、RV = 1.90 L - 0.80 L = 1.10 Lとなります。その他の肺活量(VC)、回換気量(TV)、最大吸気量(IC)は、この計算には直接必要のない情報です。
選択肢ごとの解説
- 1. 機能的残気量(FRC)から最大吸気量(IC)を引いた値(1.90 L - 1.20 L = 0.70 L)ですが、これは残気量を求める正しい計算式ではありません。FRCとICの間にはこのような直接的な減算関係はありません。正しくは:残気量は、機能的残気量から予備呼気量を差し引くことで算出します。選びやすい理由:問題文に提示された複数の数値の中から、無関係な数値を誤って組み合わせて減算してしまうと、この値にたどり着く可能性があります。混同注意:肺気量分画の関係性、特にFRCとICがどのような構成要素であるかについて混同している可能性があります。
- 2. 正解。機能的残気量(FRC)は予備呼気量(ERV)と残気量(RV)の合計であるため、残気量(RV)はFRCからERVを差し引くことで求められます。RV = FRC - ERV = 1.90 L - 0.80 L = 1.10 Lとなります。
- 3. 機能的残気量(FRC)から回換気量(TV)を引いた値(1.90 L - 0.50 L = 1.40 L)ですが、FRCとTVの間にこのような直接的な減算関係はありません。正しくは:残気量は、機能的残気量から予備呼気量を差し引くことで算出します。選びやすい理由:問題文にある多数のデータの中から、関連性の低い数値を誤って引き算の対象として選んでしまうと、この値が得られることがあります。混同注意:肺気量分画の定義とそれぞれの間の関係式を正確に理解していない場合に、誤った計算をしてしまう可能性があります。
- 4. 機能的残気量(FRC)と回換気量(TV)を足した値(1.90 L + 0.50 L = 2.40 L)ですが、FRCとTVの合計が特定の肺気量分画となる関係はありません。正しくは:残気量は、機能的残気量から予備呼気量を差し引くことで算出します。選びやすい理由:問題文に示された数値を使って安易に加算をしてしまうと、この値が出ることがあります。混同注意:肺気量分画の加算関係を誤解している可能性があります。
- 5. これは残気量(RV)ではなく、全肺気量(TLC)を計算した結果です。TLCは、最大吸気量(IC)と機能的残気量(FRC)の合計(IC + FRC = 1.20 L + 1.90 L = 3.10 L)や、肺活量(VC)と残気量(RV)の合計(VC + RV = 2.00 L + 1.10 L = 3.10 L)で求められます。正しくは:残気量は、機能的残気量から予備呼気量を引くか、全肺気量から肺活量を引くことで算出します。選びやすい理由:残気量を問われているにも関わらず、名称が似ている全肺気量を計算してしまい、その答えが選択肢にあると誤って選んでしまうことがあります。混同注意:残気量(RV)と全肺気量(TLC)の定義および相互関係を混同しています。
国試ポイント
肺気量分画の正確な定義と、それぞれの間の関係式を理解しているかどうかが問われる問題です。特に、残気量(RV)、予備呼気量(ERV)、機能的残気量(FRC)の三者の関係(FRC = ERV + RV)は頻出です。また、与えられた複数のデータの中から、計算に必要な情報と不要な情報を判別する能力も重要となります。
混同注意
残気量(RV)と全肺気量(TLC)を混同し、TLCを計算してしまう誤り(選択肢5)や、FRCからERV以外の数値(TVやIC)を誤って減算してしまうミスが多いです。各気量分画の定義と計算式をしっかり区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の肺気量分画(例: 全肺気量、肺活量、予備吸気量など)の計算が求められる可能性があります。また、拘束性障害や閉塞性障害といった病態時の各気量分画の変化に関する知識と組み合わせて問われることも考えられます。具体的な症例設定で、どの気量分画が異常値を示すかを判断する能力も確認されるでしょう。
関連知識
肺気量分画には、一回換気量(TV)、予備吸気量(IRV)、予備呼気量(ERV)、残気量(RV)があります。これらの組み合わせにより、肺活量(VC = TV + IRV + ERV)、機能的残気量(FRC = ERV + RV)、最大吸気量(IC = TV + IRV)、全肺気量(TLC = VC + RV = IC + FRC)などが構成されます。それぞれの臨床的意義や、拘束性換気障害・閉塞性換気障害での変化についても理解しておくことが重要です。