不規則抗体同定検査で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
不規則抗体同定検査は、不規則抗体スクリーニング検査で陽性反応が確認された検査方法(生理食塩液法、間接抗グロブリン試験など)を用いて実施されます。これにより、どの検査条件下で抗体が反応するかが明確になり、同定作業を効率的に進めることができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 不規則抗体同定検査で使用する被検血清は、患者の不規則抗体(ABO以外の抗体)を検出する目的であるため、試薬赤血球に患者血清中の抗A抗B抗体を反応させないよう、原則としてA抗原もB抗原も持たないO型の赤血球を使用します。正しくは:赤血球試薬には、通常ABO式血液型がO型の赤血球が用いられます。選びやすい理由:AB型は全ての抗原を持つため、抗体との反応を考える際に混乱しやすいかもしれません。混同注意:ABO血液型判定における被検赤血球と被検血清の組み合わせ、あるいは不規則抗体スクリーニングと同定検査における試薬赤血球の選択基準を混同している可能性があります。
- 2. 生理食塩液法は主に冷式抗体(IgM抗体)の検出に適しており、温式抗体(IgG抗体)の検出には不十分です。不規則抗体同定検査では、より広範囲の抗体を検出できるよう、間接抗グロブリン試験(クームス試験)など複数の方法を組み合わせて行われます。正しくは:不規則抗体同定検査は、間接抗グロブリン試験など複数の反応方法を組み合わせて行われます。選びやすい理由:生理食塩液法は血液型検査の基本であり、多くの検査で使われるため、重要だと誤解しやすいかもしれません。混同注意:生理食塩液法が、不規則抗体同定における抗体推定の主な方法であるという誤解。これは抗体スクリーニングや交差適合試験の初期段階で行われることが多い方法であり、同定の主軸ではありません。
- 3. 抗原の量的効果(ホモ接合体抗原を持つ赤血球とヘテロ接合体抗原を持つ赤血球で反応の強さが異なる現象)は、抗体同定において非常に重要な情報です。特にRh抗体やDuffy抗体などで顕著であり、この情報を用いて抗体を絞り込むことができます。正しくは:可能性の高い抗体を推定する際は、抗原の量的効果を考慮します。選びやすい理由:「量的効果」という言葉が専門的に聞こえ、考慮しなくても良いと誤解する可能性があります。混同注意:抗原の量的効果が抗体同定の有用な手がかりであることを理解していない。特にSs, Fyᵃ, Fyᵇ, Jkᵃ, Jkᵇなどの抗体で量的効果が認められることを知っているかどうかが問われる。
- 4. 否定できない抗体がある場合、陽性反応を示した赤血球だけでなく、陰性反応を示した赤血球の抗原パターンも考慮して、候補となる抗体を絞り込んでいきます。全ての反応結果を総合的に判断することが重要です。正しくは:否定できない抗体がある場合、陽性反応を示した赤血球と陰性反応を示した赤血球の抗原パターンを総合的に考慮して抗体を特定します。選びやすい理由:陽性反応に注目するのは自然な流れであり、そこから特定しようと考えるのは理解できます。混同注意:陰性反応の重要性を認識していない可能性があります。陰性反応は特定の抗体を「否定」するために不可欠な情報です。
- 5. 正解。不規則抗体スクリーニング検査で陽性となった反応方法(例:生理食塩液法、間接抗グロブリン試験など)は、患者血清中に存在する不規則抗体がその方法で検出されることを示しています。したがって、同定検査も同じ方法で実施することで、その抗体を効率的かつ確実に特定することができます。選びやすい理由:この選択肢は、検査の流れとして最も合理的で実践的な記述です。混同注意:他の選択肢が具体的な手法や理論に踏み込んでいるのに対し、これは検査手順の基本原則に関する記述であるため、選択肢全体の関係性を理解していないと誤る可能性があります。
国試ポイント
不規則抗体同定検査の基本的な実施手順と、各ステップの意義について理解しているかが問われる問題です。特に、スクリーニング結果の活用、試薬赤血球の選択、量的効果の考慮、陽性・陰性反応の総合的な判断といったポイントが重要です。
混同注意
不規則抗体スクリーニング検査と不規則抗体同定検査の目的と手順、およびABO血液型検査との混同。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、不規則抗体同定検査における「パネルの解読方法(陽性・陰性反応からの抗体候補の絞り込み)」や「吸着・解離試験の適用」に関する具体的な知識が問われる可能性があります。
関連知識
不規則抗体スクリーニング検査、間接抗グロブリン試験(クームス試験)、血液型抗原のホモ/ヘテロ接合体、量的効果、抗体同定用パネルの読み方。