原因物質と職業がんの組合せで誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
β-ナフチルアミンは、芳香族アミン類の一つであり、染料中間体として使用されていた時期があり、主に膀胱癌を引き起こすことが知られています。選択肢にある胆管癌との関連は、この物質では一般的ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. アスベスト(石綿)は、肺癌の主要な原因物質の一つとして広く認知されており、特に職業曝露が問題となります。悪性中皮腫の原因としても有名です。選びやすい理由:一般的な知識として正しいため、誤りとは考えにくいです。
- 2. ヒ素は、職業的な曝露によって皮膚癌(特にボーエン病や扁平上皮癌)を引き起こすことが知られています。また、肺癌や膀胱癌のリスクも高めます。選びやすい理由:これも正しい組み合わせなので、誤りとは判断しにくいでしょう。
- 3. ベンゼンへの長期曝露は、特に急性骨髄性白血病(AML)を含む白血病のリスクを著しく増加させることが国際的に認められています。選びやすい理由:これも正しい組み合わせであり、職業病としてよく知られています。
- 4. 正解。β-ナフチルアミンは、主に膀胱癌の原因物質として知られています。胆管癌との直接的な関連は一般的ではありません。正しくは:β-ナフチルアミン: 膀胱癌選びやすい理由:特定の化学物質と癌の関連性は複雑であり、似たような名前の物質や、複数の臓器に影響を与える物質も存在するため、混同しやすいです。混同注意:他の発がん性アミン類が胆管癌を引き起こす可能性と混同したり、一般的な職業がんの知識と混同したりすることがあります。
- 5. 塩化ビニルモノマーへの職業曝露は、稀ではありますが、肝臓に発生する悪性腫瘍である肝血管肉腫の主要な原因の一つとして知られています。選びやすい理由:これも正確な組み合わせであり、職業がんとして重要視されています。
国試ポイント
この問題は、主要な発がん性物質とその関連する標的臓器(特定の癌種)に関する基本的な知識を問うものです。特に、職業がんとして重要な物質とその影響を正確に覚えているかがポイントとなります。誤った組み合わせを選ぶ形式で、複数の発がん性物質の知識を比較する能力が試されます。
混同注意
職業性膀胱癌の原因物質には芳香族アミン類が多く含まれますが、それぞれの物質がどの臓器の癌と強く関連しているかを正確に把握していないと混同しやすいです。例えば、アニリン、ベンジジン、ナフチルアミンなど。
次に同じ論点が出たら
今後、類似の問題が出題された場合、他の代表的な職業性発がん物質(例:ニッケル、クロム、ラドンなど)とその関連癌種が選択肢に含まれる可能性が高いです。また、発がん性物質が複数種の癌を引き起こす場合や、曝露経路(吸入、経皮など)と発がんメカニズムについても問われる可能性があります。
関連知識
主な発がん性物質と関連癌:アスベスト(肺癌、悪性中皮腫)、ヒ素(皮膚癌、肺癌、膀胱癌)、ベンゼン(白血病)、β-ナフチルアミン(膀胱癌)、塩化ビニルモノマー(肝血管肉腫)、ニッケル化合物(肺癌、鼻腔・副鼻腔癌)、クロム化合物(肺癌)、ラドン(肺癌)。