直ちに緊急対応が必要な心電図所見はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
心室細動は心室が不規則に興奮し、有効なポンプ機能が失われる致死性不整脈であり、心拍出量がゼロとなるため、直ちに電気的除細動を含む緊急対応が必要です。数分以内に心停止に至る可能性があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。心室細動は心室が不規則に興奮し、有効な心拍出量がなく、直ちに心停止に至る危険性が非常に高いため、電気的除細動を含む緊急対応が不可欠です。選びやすい理由:致死性不整脈であるという認識が一般的であり、緊急性が高いことが明白だからです。混同注意:心房細動(AFib)
- 2. 心房細動は心房が不規則に興奮する不整脈であり、血行動態が安定していれば直ちに緊急対応が必要な状態ではないことが多いです。塞栓症のリスクはありますが、心室細動ほどの緊急性はありません。正しくは:発症時や血行動態が不安定な場合は緊急対応を要するが、通常は心室細動より緊急性は低い。選びやすい理由:「細動」という言葉から、心室細動と同様に緊急性が高いと誤解する可能性があります。混同注意:心室細動(VFib)
- 3. PR時間短縮はWPW症候群などで見られる心電図所見ですが、それ自体は直ちに緊急対応を要するものではありません。合併する頻脈性不整脈(上室性頻拍など)がある場合に治療を検討します。正しくは:WPW症候群の診断根拠の一つであり、不整脈を誘発する可能性はあるが、PR時間短縮単独では緊急対応は不要。選びやすい理由:WPW症候群が時に致死的な不整脈(心室細動など)に移行する可能性を連想し、緊急性が高いと誤解することがあります。混同注意:WPW症候群に伴う頻脈性不整脈
- 4. 心室期外収縮(PVC)は健常者にも見られる一般的な不整脈であり、単発や頻度が低い場合は直ちに緊急対応は不要です。連発や多形性、R on T現象など、重症度を示す所見がある場合に治療を検討します。正しくは:大部分の心室期外収縮は良性であり、基礎疾患がない場合は経過観察で良い。しかし、連続する心室期外収縮は心室頻拍に移行する可能性があるため注意が必要。選びやすい理由:心室由来の不整脈であるため、心室細動などの致死性不整脈への移行を心配し、緊急性が高いと誤解することがあります。混同注意:心室頻拍(VT)や心室細動(VFib)
- 5. 洞不全症候群は徐脈性不整脈の一つで、症状がなければ経過観察となることも多いです。めまいや失神などの症状がある場合は治療(ペースメーカー植え込みなど)を検討しますが、直ちに生命を脅かす緊急性は通常ありません。正しくは:症状を伴う洞不全症候群は治療対象となるが、直ちに緊急対応が必要な致死性不整脈ではない。選びやすい理由:徐脈による症状(めまい、失神など)を連想し、緊急性が高いと誤解することがあります。混同注意:完全房室ブロックなどの高度房室ブロック
国試ポイント
致死性不整脈とその緊急対応の必要性を識別すること。特に心室細動が最も緊急性の高い不整脈であることを理解する。
混同注意
心房細動と心室細動の緊急度の違いや、心室期外収縮の良性と悪性の鑑別。
次に同じ論点が出たら
心電図で不規則で幅広いQRS波の連続、P波の消失、基線の細動波(f波)が確認され、意識消失や血圧測定不能などの虚脱状態を伴う場合は、心室細動を疑い、直ちに緊急対応が必要と判断する。
関連知識
電気的除細動の適応と禁忌、AEDの使用方法、心肺蘇生法(BLS/ALS)、VFとpulseless VTの鑑別。