Grocott染色に用いるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
Grocott染色(Grocott's methenamine silver stain)は、主に真菌を検出するための特殊染色法です。この染色法では、まず検体中の多糖類をクロム酸で酸化し、アルデヒド基を生成させます。次に、このアルデヒド基をメセナミン銀液(六アミン銀液)で還元することで、真菌の細胞壁に銀を沈着させ、黒色に染め出します。したがって、クロム酸とメセナミン銀が必須の試薬です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Grocott染色では、まずクロム酸を用いて検体中の多糖類(グリコーゲン、ムコ多糖など)を酸化し、アルデヒド基を生成させます。これは真菌細胞壁の構成成分を可視化するための前処理として必須です。
- 2. シュウ酸はGrocott染色には通常使用されません。酸性染料として一部の染色法で用いられることがありますが、Grocott染色における真菌細胞壁の検出には関与しません。正しくは:Grocott染色に必要なのは、クロム酸や過ヨウ素酸などの酸化剤です。選びやすい理由:酸性の試薬であるため、他の染色法との混同により選択肢として魅力的に見えるかもしれません。混同注意:PAS染色などで用いられる過ヨウ素酸の役割と混同する可能性があります。
- 3. 過ヨウ素酸はPAS染色において、多糖類を酸化しアルデヒド基を生成させるために用いられますが、Grocott染色ではクロム酸がその役割を担います。Grocott染色で過ヨウ素酸を使用することはありません。正しくは:Grocott染色では、過ヨウ素酸ではなくクロム酸で酸化を行います。選びやすい理由:PAS染色と同様に多糖類を検出する目的があるため、過ヨウ素酸が酸化剤として使われるという知識から誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:PAS染色における多糖類の検出原理とGrocott染色の真菌検出原理が混同される可能性があります。
- 4. アンモニア銀は細網線維の染色(Gomoriの銀染色など)に用いられることがありますが、Grocott染色で主に使用される銀液はメセナミン銀液です。正しくは:Grocott染色ではアンモニア銀ではなく、メセナミン銀(六アミン銀)を使用します。選びやすい理由:銀染色の一種であるため、銀というキーワードから連想されやすいですが、Grocott染色では特定の組成の銀液が求められます。混同注意:他の銀染色法(例えばGomoriの細網線維染色)で用いられる銀液と混同する可能性があります。
- 5. 正解。クロム酸による前処理後、生成したアルデヒド基をメセナミン銀液(六アミン銀液)で還元し、銀を沈着させることで真菌の細胞壁を黒く染め出します。これがGrocott染色の主要な発色反応です。
国試ポイント
Grocott染色法で用いられる主要な試薬と、それぞれの役割(酸化剤としてのクロム酸、銀を沈着させるメセナミン銀)を正確に理解しているかが問われています。特に、似たような染色法(PAS染色など)で用いられる試薬との区別が重要です。
混同注意
PAS染色(過ヨウ素酸とSchiff試薬)、他の銀染色法(細網線維染色など)、あるいは異なる酸化剤(過ヨウ素酸)との混同。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、主要な特殊染色法(PAS染色、Grocott染色、Ziehl-Neelsen染色など)について、その目的、主な試薬、染色原理、陽性となる構造物、および結果の色を一覧で整理できているかを再確認する。
関連知識
Grocott染色の目的(真菌検出)、染色原理(酸化還元反応)、各試薬の役割、染まるもの(真菌の細胞壁、肺炎球菌莢膜など)、染色の結果(真菌が黒色、背景が緑色など)。