自動固定包埋装置における標本作製工程にないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
組織標本作製における自動固定包埋装置の工程は、固定された組織をアルコールなどで脱水し、キシレンなどの透徹剤でアルコールを置き換え(脱アルコール)、最終的に融解パラフィンを組織に浸透させて固めることで、薄切に適した状態にするものです。この一連のプロセスに「乾燥」は含まれません。乾燥は組織の収縮や変性を引き起こしやすいため、一般的に組織標本作製では避けるべき操作とされています。脱水によって水分を置換するのが正しいアプローチです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。自動固定包埋装置を用いる際の通常の組織標本作製工程には、乾燥操作は含まれません。むしろ、組織の変性を防ぐため、脱水や透徹を経てパラフィン包埋を行います。正しくは:自動固定包埋装置では、組織の水分を完全に除去する「脱水」は行いますが、乾燥とは目的が異なります。選びやすい理由:水分を除去するという点で「脱水」と混同しやすいため。混同注意:脱水
- 2. 脂肪組織を扱う場合など、必要に応じて脱脂操作が実施されることがあります。特に自動包埋装置では、アルコール透徹の前にベンゼンやキシレンなどの有機溶媒で脱脂を行うことがあります。選びやすい理由:脂肪組織の検査に限定される操作のため、一般的ではないと誤解される可能性がある。混同注意:通常操作と必須操作の区別
- 3. 組織中の水を完全に除去し、後のパラフィン浸透を可能にするために必須の工程です。アルコール系列やアセトンなどが使用されます。選びやすい理由:名前から「水分をなくす」という点で乾燥と混同しやすいが、生物学的組織処理における「脱水」は明確に異なる。混同注意:乾燥
- 4. 脱水で使用したアルコールをキシレンなどの透徹剤に置き換える工程を指します。パラフィンはアルコールには溶けないため、パラフィンと混和する透徹剤への置換が必要です。選びやすい理由:「脱」という言葉から不要な工程と誤解される可能性がある。混同注意:透徹
- 5. 透徹剤に置き換わった組織に、溶解したパラフィンを浸透させる最終工程です。これにより、組織は十分な硬度を得て、薄切が可能になります。選びやすい理由:包埋と混同されやすいが、包埋は浸透後の固化を指す。混同注意:包埋
国試ポイント
自動固定包埋装置を用いた組織標本作製における基本的な工程とその順序、各工程の目的を正確に理解しているかを問う問題です。特に、物理的な乾燥と化学的な脱水の区別が重要です。
混同注意
脱水と乾燥は混同されやすいが、組織学的には明確に異なる概念です。脱水はアルコールなどの溶媒を用いて組織中の水分を置換する操作であり、乾燥は水分を蒸発させる操作です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各工程の名称だけでなく、その目的と使用される試薬、そして工程間の論理的な繋がりを理解しているかを確認します。特に、なぜその工程が必要なのか、それがないとどうなるのかを考えると正答を導きやすくなります。
関連知識
組織標本作製の手順(固定、水洗、脱水、透徹、パラフィン浸透・包埋、薄切、染色)と、各ステップで使用される主な試薬およびその役割。