H-E染色のエオジン液に加えるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
エオジンは酸性色素であり、組織の塩基性成分(主に細胞質のタンパク質やコラーゲン線維など)を赤~ピンク色に染めます。この染色反応は、エオジン液を弱酸性にすることで効率が向上します。酢酸は弱酸としてエオジン液のpHを適度に下げ、組織成分とエオジンの結合を促進し、染色を鮮明かつ安定させる役割があります。強酸では組織が損傷する可能性があり、アルカリ性物質ではエオジンの染色性が著しく低下します。
選択肢ごとの解説
- 1. 塩酸は強酸であり、エオジン液に添加するとpHが過度に低下し、組織の損傷や過剰な染色を引き起こす可能性があります。そのため、一般的なエオジン染色には不適切です。正しくは:エオジンの染色性を最適化するためには、弱酸性の環境が必要です。選びやすい理由:酸性の環境が必要であるという漠然とした知識があると、強酸である塩酸を選択肢として考えてしまう可能性があります。混同注意:ヘマトキシリン染色液の調製や脱灰処理などで強酸を用いる場合と混同するかもしれません。
- 2. 正解。酢酸は弱酸であり、エオジン液に少量添加することでpHを適度に下げ、組織の塩基性成分(細胞質、コラーゲンなど)とエオジン(酸性色素)の結合を促進し、染色性を向上させます。これにより、染色が鮮明になり、コントラストが向上します。
- 3. 硫酸は塩酸と同様に強酸であり、エオジン液に添加するとpHが過度に低下し、組織の損傷や過剰な染色を引き起こす可能性があります。そのため、一般的なエオジン染色には不適切です。正しくは:エオジンの染色性を最適化するためには、弱酸性の環境が必要です。選びやすい理由:酸性の環境が必要であるという漠然とした知識があると、強酸である硫酸を選択肢として考えてしまう可能性があります。混同注意:他の一般的な酸と混同する可能性があります。
- 4. アンモニアはアルカリ性物質であり、エオジン液に添加するとpHが上昇します。エオジンは酸性色素であるため、アルカリ性環境では組織との結合が阻害され、染色性が著しく低下します。正しくは:エオジンは酸性環境下で機能します。アンモニア水はヘマトキシリン染色の「青色化」処理に用いられます。選びやすい理由:H-E染色の工程にアルカリ性処理(青色化)があるため、それがエオジン液にも関わると誤解する可能性があります。混同注意:ヘマトキシリン染色後の「青色化」(blueing)処理で用いられるアルカリ性物質(アンモニア水、炭酸リチウム水溶液など)と混同しやすいです。
- 5. 炭酸リチウムはアルカリ性物質であり、アンモニアと同様にエオジン液に添加するとpHが上昇します。エオジンは酸性色素であるため、アルカリ性環境では組織との結合が阻害され、染色性が著しく低下します。正しくは:エオジンは酸性環境下で機能します。炭酸リチウム水溶液もヘマトキシリン染色の「青色化」処理に用いられます。選びやすい理由:H-E染色の工程にアルカリ性処理(青色化)があるため、それがエオジン液にも関わると誤解する可能性があります。混同注意:ヘマトキシリン染色後の「青色化」(blueing)処理で用いられるアルカリ性物質(アンモニア水、炭酸リチウム水溶液など)と混同しやすいです。
国試ポイント
H-E染色におけるエオジン(酸性色素)の染色原理と、その染色性を最適化するための添加物(pH調整剤)に関する知識が問われています。特に、pHが染色に与える影響と、各試薬の役割を正確に理解しているかが重要となります。
混同注意
ヘマトキシリン染色の媒染剤(アルミニウム塩など)や「青色化」処理に用いられるアルカリ性試薬(アンモニア水、炭酸リチウムなど)と、エオジン染色のpH調整剤を混同しやすいです。また、強酸と弱酸の使い分けについても注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回、H-E染色に関する問題が出題された場合、ヘマトキシリンとエオジン、それぞれの色素の特性(塩基性/酸性)とそのターゲット、そして各工程で使われる主な試薬(媒染剤、酸化剤、pH調整剤、青色化剤など)の具体的な種類と役割について、明確に区別して理解しているかを確認する必要があるでしょう。特に、pHが染色結果に与える影響に注目してください。
関連知識
H-E染色は、組織学や病理学で最も広く用いられる基本的な染色法です。ヘマトキシリンは塩基性色素であり、細胞核などの酸性成分を青紫色に染めます。エオジンは酸性色素であり、細胞質や結合組織などの塩基性成分を赤色~ピンク色に染めます。各色素の染色性を最適化するため、pH調整剤や媒染剤が用いられます。ヘマトキシリン染色後には、アルカリ性の液(青色化液)で青色化処理を行うことで、より鮮明な青色に発色させます。