一次止血はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
一次止血は、血管損傷時に最初に起こる反応で、血管収縮と血小板の粘着・凝集によって血小板血栓(白色血栓)が形成される過程を指します。選択肢1の「血小板が血管壁に付着すること」は、この一次止血における血小板粘着の主要なステップです。他の選択肢は二次止血(血液凝固)または線溶系のプロセスに該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。一次止血は、血管損傷部位に血小板が粘着・凝集して血小板血栓を形成する過程です。血管内皮下のコラーゲンが露出すると、フォン・ヴィレブランド因子を介して血小板が粘着します。
- 2. 組織因子の発現は、二次止血(血液凝固)の開始に重要です。損傷した血管壁の細胞が組織因子を発現することで、外因系凝固経路が活性化されます。正しくは:組織因子の発現は二次止血(血液凝固)の開始に関与します。選びやすい理由:止血の重要なステップであるため、一次止血に含まれると誤解しやすいですが、血小板の関与が主である一次止血とは区別されます。混同注意:一次止血と二次止血の開始メカニズムを混同しやすいです。
- 3. トロンビン(第IIa因子)の産生は、二次止血(血液凝固)の中核をなすプロセスです。トロンビンはフィブリノゲンをフィブリンに変換し、強固な血栓を形成します。正しくは:トロンビンの産生は二次止血(血液凝固)の過程で起こります。選びやすい理由:トロンビンは止血において極めて重要な役割を果たすため、止血の初期段階である一次止血に含めてしまいがちです。混同注意:一次止血と二次止血における各因子の役割を混同しやすいです。
- 4. フィブリンの分解は、線溶系によって行われる血栓溶解のプロセスであり、止血後に形成された血栓を除去する役割があります。これは止血とは逆の働きです。正しくは:フィブリンの分解は、線溶系の働きによる血栓溶解のプロセスです。選びやすい理由:止血と線溶は一連の反応として理解されるため、止血のプロセスの一部と誤解する可能性があります。混同注意:止血(血栓形成)と線溶(血栓溶解)の機能を混同しやすいです。
- 5. プラスミノゲンが活性化されてプラスミンになる過程は、線溶系の重要なステップです。プラスミンがフィブリンを分解し、血栓を溶解します。正しくは:プラスミノゲンの活性化は線溶系のプロセスです。選びやすい理由:線溶も止血反応と密接に関連しているため、止血の一環と捉えやすいです。混同注意:止血(血栓形成)と線溶(血栓溶解)の開始段階を混同しやすいです。
国試ポイント
止血機構(一次止血、二次止血、線溶系)の各段階で、主要な役割を果たす因子や現象を正確に理解しているかを問う問題です。特に、血小板の関与が一次止血、凝固因子の関与が二次止血であることを区別できるかが重要です。
混同注意
一次止血と二次止血の区別、および線溶系の役割を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、各止血フェーズにおけるキーとなる細胞(血小板、血管内皮細胞など)と分子(フォン・ヴィレブランド因子、組織因子、トロンビンなど)の役割を問う問題が多いと予測されます。また、先天性または後天性の止血異常症(例:血友病、フォン・ヴィレブランド病、ITPなど)の原因がどの段階の異常によるものか、という形で応用問題として出題される可能性もあります。
関連知識
一次止血:血管収縮、血小板の粘着(フォン・ヴィレブランド因子、GP Ib)、血小板の放出反応、血小板の凝集(GP IIb/IIIa、フィブリノゲン)。二次止血(血液凝固):内因系、外因系、共通系。凝固因子。線溶系:プラスミノゲン、プラスミン、t-PA、PAI-1。