アミノ基転移酵素活性を有するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
活性化第XIII因子(FXIIIa)は、トランスグルタミナーゼとして機能し、フィブリン分子間の共有結合(イソペプチド結合)を形成します。この反応は、グルタミン残基のγ-カルボキシアミド基とリジン残基のε-アミノ基の間でアミノ基転移を伴うため、アミノ基転移酵素活性を有すると言えます。これはフィブリン血栓を安定化させる重要な作用です。
選択肢ごとの解説
- 1. トロンビンはセリンプロテアーゼであり、アミノ基転移酵素活性は持ちません。フィブリノゲンをフィブリンに変換するなど、血液凝固カスケードの重要な酵素として機能します。正しくは:トロンビンはフィブリノゲンからフィブリンへの変換や、凝固因子の活性化を触媒するセリンプロテアーゼである。選びやすい理由:血液凝固の中心的な役割を果たす酵素であるため、その多様な機能の一部として誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:他の血液凝固因子や線溶因子が持つ多様な酵素活性と混同されやすいです。
- 2. プラスミンもセリンプロテアーゼの一種であり、主にフィブリンを分解して線溶を促進する働きがあります。アミノ基転移酵素活性は有しません。正しくは:プラスミンはフィブリンを分解するセリンプロテアーゼであり、線溶系の主役である。選びやすい理由:線溶系の主要な酵素であるため、その活性が他の酵素活性と混同されることがあります。混同注意:フィブリンの架橋に関与する因子や、凝固系の因子と混同されることがあります。
- 3. 活性化第X因子(FXa)はセリンプロテアーゼであり、プロトロンビンからトロンビンへの変換を触媒するプロトロンビンase複合体の一部です。アミノ基転移酵素活性はありません。正しくは:活性化第X因子は、プロトロンビンをトロンビンに変換するセリンプロテアーゼである。選びやすい理由:血液凝固カスケードの共通経路における重要な酵素であるため、その機能を誤って認識しやすいです。混同注意:血液凝固に関わる多くのセリンプロテアーゼや、他の活性化因子と混同されやすいです。
- 4. 正解。活性化第XIII因子(FXIIIa)はトランスグルタミナーゼという酵素であり、フィブリン分子内のグルタミン残基とリジン残基の間に共有結合(イソペプチド結合)を形成します。この反応はアミノ基(リジンのε-アミノ基)を転移させる過程を含むため、「アミノ基転移酵素活性」を持つと言えます。これにより、強固なフィブリン血栓が形成されます。正しくは:活性化第XIII因子はトランスグルタミナーゼであり、フィブリンの架橋反応を触媒することでアミノ基転移酵素活性を持つ。選びやすい理由:凝固因子の中で唯一、セリンプロテアーゼではない特殊な機能を持つため、その機能が他の因子と区別しにくい場合があります。混同注意:他のセリンプロテアーゼ型の凝固因子と混同されがちですが、その酵素学的性質は大きく異なります。
- 5. 活性化プロテインC(APC)はセリンプロテアーゼであり、主に活性化第V因子(FVa)と活性化第VIII因子(FVIIIa)を不活性化することで抗凝固作用を発揮します。アミノ基転移酵素活性は持ちません。正しくは:活性化プロテインCは、凝固促進因子である活性化第V因子と活性化第VIII因子を分解するセリンプロテアーゼである。選びやすい理由:凝固調節における重要な因子であるため、その機能が他の酵素と混同される可能性があります。混同注意:プロテインCやプロテインSといった他の凝固制御因子、または他のセリンプロテアーゼと混同されやすいです。
国試ポイント
血液凝固因子のうち、活性化第XIII因子がセリンプロテアーゼではない特殊な酵素(トランスグルタミナーゼ)であり、アミノ基転移活性を持つことを理解しているか問う問題です。他の主要な凝固・線溶因子がセリンプロテアーゼであることとの対比が重要です。
混同注意
セリンプロテアーゼに分類される他の凝固因子(トロンビン、第X因子、プラスミン、プロテインCなど)の機能と混同されやすいです。特に、フィブリンの形成や分解に関わる因子群の中で、第XIII因子のみが酵素機能的に異質である点を理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、各凝固因子の「酵素の種類(セリンプロテアーゼ、トランスグルタミナーゼなど)」と「具体的な生理作用」を正確に結びつけられるかを確認してください。特に、第XIII因子の『架橋(安定化)』機能と酵素活性の関係性は頻出です。
関連知識
血液凝固カスケード、線溶系、フィブリン血栓の形成と安定化、セリンプロテアーゼの作用機序、トランスグルタミナーゼの機能。