病原体の構成成分で検査に用いられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
エンドトキシンはグラム陰性菌の細胞壁外膜に含まれるリポ多糖(LPS)であり、菌体そのものの構成成分である。また、(1→3)-β-D-グルカンは酵母やカビなどの真菌の細胞壁を構成する主要な多糖類であり、これらはいずれも病原体そのものの成分として感染症の診断マーカーに利用される。一方、プレセプシン、プロカルシトニン、アミロイドA蛋白は、感染や炎症によって宿主側が産生・増加する物質であり、病原体自体の構成成分ではない。
選択肢ごとの解説
- 1. プレセプシンは宿主(生体側)が産生するタンパク質であり、感染症や敗血症の重症度マーカーとして用いられますが、病原体自体の構成成分ではありません。正しくは:プレセプシンは宿主が産生する感染症マーカーである。選びやすい理由:感染症マーカーであるため、病原体に関連すると誤解しやすい。混同注意:病原体成分と宿主産生マーカー。
- 2. 正解。エンドトキシンはグラム陰性菌の外膜に存在するリポ多糖(LPS)のことで、菌体そのものの主要な構成成分であり、敗血症などの診断マーカーとして検査に用いられます。
- 3. プロカルシトニンは宿主(生体側)の甲状腺C細胞などで産生されるペプチドで、細菌感染症や敗血症の重症度マーカーとして用いられますが、病原体自体の構成成分ではありません。正しくは:プロカルシトニンは宿主が産生する感染症マーカーである。選びやすい理由:感染症マーカーであるため、病原体に関連すると誤解しやすい。混同注意:病原体成分と宿主産生マーカー。
- 4. アミロイドA蛋白(SAA)は宿主(生体側)の肝臓で産生される急性期反応物質であり、炎症性疾患や組織損傷のマーカーとして用いられますが、病原体自体の構成成分ではありません。正しくは:アミロイドA蛋白は宿主が産生する急性期反応物質である。選びやすい理由:炎症や感染症に伴って上昇するため、病原体に関連すると誤解しやすい。混同注意:病原体成分と宿主産生マーカー。
- 5. 正解。(1→3)-β-D-グルカンは真菌の細胞壁を構成する主要な成分であり、深在性真菌症の診断マーカーとして広く検査に用いられます。
国試ポイント
病原体の構成成分が感染症診断マーカーとなるものと、宿主が感染に応答して産生するマーカーとの区別を問う。特に細菌と真菌それぞれの主要な構成成分を理解しているか、またそれらが検査に利用されることを知っているかが重要。
混同注意
宿主反応性マーカー(プレセプシン、プロカルシトニン、アミロイドA)と病原体由来マーカー(エンドトキシン、β-D-グルカン)。両者とも感染症に関連する検査項目だが、由来が全く異なる。
次に同じ論点が出たら
病原体由来の検査マーカーと宿主由来の検査マーカーの具体例が多数出題された場合、それぞれの物質がどの病原体(細菌の種類、真菌など)や宿主のどの部位で産生されるかを識別できるか。
関連知識
グラム陰性菌の細胞壁構造(外膜、LPS)、真菌の細胞壁構造(β-グルカン、キチン)、敗血症性ショックの病態生理(LPSの関与)、宿主の炎症応答と急性期反応物質。細菌感染と真菌感染の診断におけるそれぞれのマーカーの特異性と感度。