造血で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
健康な成人では、造血は骨髄内で集中的に行われます。骨髄以外の場所で造血が行われる「髄外造血」は、重度の貧血や骨髄の病変など、異常な状態下で生じる現象です。したがって、健康な成人では髄外造血は認められない、という記述が正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. エリスロポエチン(EPO)は主に腎臓の尿細管周囲間質細胞で産生されます。正しくは:エリスロポエチンは主に腎臓で産生されます。選びやすい理由:胎児期には肝臓でも産生されるため、一部の知識が混同しやすいです。また、肝臓も血液成分の代謝に深く関わるため、EPO産生との関連を誤って考えてしまう可能性があります。混同注意:肝臓での胎児期EPO産生と、成人での腎臓でのEPO産生を混同しやすいです。
- 2. 胸腺はTリンパ球の分化・成熟の場です。Bリンパ球は骨髄で分化・成熟します。正しくは:胸腺はTリンパ球の分化・成熟に重要な役割を果たします。選びやすい理由:リンパ球の分化・成熟に関わることは正しいですが、T細胞かB細胞かの区別があいまいだと選びやすいです。混同注意:Tリンパ球とBリンパ球の成熟場所を混同しやすいです。
- 3. 正解。健康な成人では、造血は骨髄内で行われます。髄外造血は、骨髄の機能が低下した場合や、重度の貧血などの異常時に見られる現象です。
- 4. 成人期の腸骨の骨髄は、主要な造血部位の一つであり、赤色髄(機能的な造血組織)が主です。黄色髄は造血機能を持たない脂肪組織で、年齢とともに赤色髄が黄色髄に置換されますが、腸骨は成人でも主要な造血部位として赤色髄が残ります。正しくは:成人期では、腸骨の骨髄は赤色髄(造血能を持つ骨髄)が主です。選びやすい理由:加齢とともに骨髄が黄色髄に置換されるという知識は正しいですが、主要な造血部位である腸骨が成人でも赤色髄であるという点を誤解しやすいです。混同注意:全身の骨髄の黄色髄への置換の一般的な傾向と、成人でも造血機能を維持する特定の部位(例: 腸骨、脊椎骨、胸骨)の区別を混同しやすいです。
- 5. 卵黄囊での造血期(ごく初期の胎生期)には、原始赤芽球によりGower I、Gower II、Portlandヘモグロビンといった原始ヘモグロビンが産生されます。胎児型Hb(HbF: α2γ2)は肝臓での造血が始まる胎生中期以降に優位になります。正しくは:卵黄囊で産生される主要なヘモグロビンは原始ヘモグロビン(Gower I, Gower II, Portland)です。選びやすい理由:「卵黄囊」「胎児型Hb」というキーワードから、関連性が高く見えるため、正しいと誤解しやすいです。初期の造血とそれに伴うヘモグロビン変化の段階的な理解が不足していると選びやすいです。混同注意:胎児期全般のヘモグロビンの種類と、特に卵黄囊でのごく初期の造血におけるヘモグロビンの種類を混同しやすいです。
国試ポイント
造血の場所、エリスロポエチンの産生臓器、リンパ球の分化場所、骨髄の構成(赤色髄・黄色髄)、胎生期のヘモグロビン移行など、造血に関する基本的な知識とその正常・異常の区別が問われています。
混同注意
造血の場所(骨髄、髄外造血)、時期によるヘモグロビンの種類(原始Hb、胎児Hb、成人Hb)、リンパ球の成熟場所(胸腺、骨髄)、エリスロポエチンの産生臓器(腎臓、肝臓)など、各項目で関連する概念と誤解しやすい知識が散りばめられています。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、各造血関連因子の産生部位、リンパ球の成熟部位、造血の生理的・病理的部位、およびヘモグロビン合成の時期による違いについて正確な知識が問われる可能性があります。
関連知識
胎生期の造血部位の変遷(卵黄囊→肝臓→脾臓→骨髄)、造血幹細胞、各種サイトカインと造血、骨髄の組織学。