髄液検査を行う前に測定すべき血液検査項目はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
髄液中の糖濃度は、血液中の血糖値と密接に関連しており、健常者では血糖値の約2/3とされています。この比率が病的に低下している場合、細菌性髄膜炎などで糖が消費されている可能性が示唆されます。したがって、髄液糖濃度を正確に評価するためには、同時間の血液血糖値を把握することが必須です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。髄液検査では髄液中の糖濃度を測定しますが、その結果を評価するためには、同時間の血液中の血糖値を把握しておく必要があります。通常、髄液糖は血糖値の約2/3程度を示します。この比率が異常に低い場合は、細菌性髄膜炎などが疑われます。
- 2. 髄液検査で赤血球数が上昇している場合、クモ膜下出血か穿刺による混入かを鑑別するために、採血による赤血球数を比較することはありません。通常は連続して採取した試験管での赤血球数の変化を見ます(連続試験管法)。正しくは:髄液検査で赤血球数上昇が見られた場合、穿刺による混入か否かを鑑別するには、連続して採取した試験管中の赤血球数の変化を観察します。選びやすい理由:髄液中に赤血球が混入することがあるため、血液中の赤血球数も関連すると思うかもしれませんが、鑑別には別の方法を用います。混同注意:血液中の赤血球数と髄液中の赤血球数の関連性
- 3. アミラーゼは膵臓や唾液腺から分泌される酵素で、主に膵炎や耳下腺炎の診断に用いられます。髄液検査の前にルーチンで測定する項目ではありません。正しくは:アミラーゼは膵炎や耳下腺炎の診断に用いられる項目であり、髄液検査の事前測定としては一般的ではありません。選びやすい理由:炎症性疾患のマーカーとして汎用されるため、何かと関連があるように感じるかもしれませんが、髄液検査の事前項目とは異なります。混同注意:他の一般的な血液検査項目
- 4. ビリルビンは主に肝機能や溶血性疾患の指標となる項目です。髄液中のビリルビン(キサントクロミー)はクモ膜下出血後の経時的な変化で見られることがありますが、その評価のために事前に血液中のビリルビンを測定することは通常行われません。正しくは:ビリルビンは肝機能や溶血の指標であり、髄液検査の事前測定としては一般的ではありません。選びやすい理由:髄液のキサントクロミーと関連付けられるため、選択肢として魅力的かもしれませんが、事前測定の必要はありません。混同注意:髄液のキサントクロミーと血液中のビリルビン
- 5. マグネシウムは電解質の一つですが、髄液検査の前に必ず測定すべき血液検査項目ではありません。特定の病態(腎機能障害など)で測定されることはありますが、一般的にはルーチンではありません。正しくは:マグネシウムは電解質であり、特定の病態で測定されることはありますが、髄液検査の事前測定項目としては一般的ではありません。選びやすい理由:電解質のバランスは体の機能に重要なので、選択肢として迷うかもしれませんが、髄液検査に直接関連する事前項目ではありません。混同注意:他の電解質項目
国試ポイント
髄液検査の基本的な意義と、検査項目間の関連性を問う問題です。特に、髄液糖の評価には血液血糖が不可欠であるという、臨床検査技師として知っておくべき基本的な知識が問われています。
混同注意
髄液検査で異常が見られた際に比較検討する項目(例:髄液赤血球数と穿刺、髄液ビリルビンとキサントクロミー)と、髄液検査の診断評価のために事前に必要となる基準項目を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出題された際は、髄液検査の結果を解釈するために『対照として必要な検査項目』は何か、という視点で選択肢を検討します。特に糖は血液濃度との比率で評価することが重要です。
関連知識
髄液検査の適応、各髄液検査項目(細胞数、蛋白、糖、グラム染色など)の基準値と異常時の臨床的意義、腰椎穿刺の手順と合併症。