中間尿に比べ初尿で陽性になりやすいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
尿白血球は、尿道や前立腺、外陰部の炎症時に尿中に多く排泄されます。初尿は、これら尿道の比較的遠位部分の成分を多く含むため、中間尿に比べて白血球が検出されやすい傾向があります。特に尿道炎や前立腺炎の診断においては、初尿での白血球検出が重要となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿糖は全身的な代謝異常(糖尿病など)を反映するため、尿中の糖濃度は尿の採取タイミング(初尿か中間尿か)によって大きく変動することはありません。腎臓の再吸収能力を超えて血液中の糖が排出される現象なので、どのタイミングの尿でも陽性になる可能性は同程度です。正しくは:尿糖は中間尿と初尿で陽性になりやすさに大きな差はありません。選びやすい理由:一般的な尿検査項目であり、選択肢として見慣れているため。混同注意:尿糖は採尿時間帯(食後など)によって変動しますが、初尿と中間尿の違いでは変動しません。
- 2. 尿潜血は、尿路系全般からの出血を示すため、中間尿と初尿で陽性になりやすさに大きな差はありません。ただし、女性の場合は月経血の混入により初尿で陽性となる可能性はありますが、一般論としては採取タイミングによる差は小さいです。正しくは:尿潜血は中間尿と初尿で陽性になりやすさに大きな差はありません。選びやすい理由:腎臓や尿路系の異常を示す重要な項目であるため、何らかの関連があるように思えるかもしれません。混同注意:腎臓疾患や尿路結石、膀胱炎などによる出血は、初尿・中間尿どちらでも検出されます。
- 3. 正解。尿白血球(膿尿)は、尿路感染症、特に尿道や前立腺、外陰部の炎症で増加します。これらの部位の炎症による白血球や細菌は、初尿でより多く検出される傾向があります。中間尿では、これらの白血球が洗い流された後であるため、濃度が薄まる可能性があります。そのため、尿道炎や前立腺炎の診断には初尿が特に重要視されます。
- 4. 尿ケトン体は、体内の脂肪分解が亢進している状態(糖尿病性ケトアシドーシス、飢餓など)を反映します。これは全身の代謝状態を示すものであり、尿中のケトン体濃度は尿の採取タイミング(初尿か中間尿か)で大きく変わることはありません。正しくは:尿ケトン体は中間尿と初尿で陽性になりやすさに大きな差はありません。選びやすい理由:糖尿病関連の項目として、尿糖と合わせて選択肢に挙がりやすいため。混同注意:ケトン体は尿中の濃度が日内変動しますが、初尿と中間尿の違いでは変動しません。
- 5. 尿ビリルビンは、肝機能障害や胆道閉塞などによって抱合型ビリルビンが尿中に排出されることで陽性となります。これは全身的な代謝異常を反映するため、尿中のビリルビン濃度は尿の採取タイミング(初尿か中間尿か)によって大きく変動することはありません。正しくは:尿ビリルビンは中間尿と初尿で陽性になりやすさに大きな差はありません。選びやすい理由:肝臓や胆道の異常を示す重要な項目であるため、何らかの関連があるように思えるかもしれません。混同注意:尿ビリルビンは、病態によって常に尿中に排出されるため、採尿タイミングによる影響は小さいです。
国試ポイント
尿検査の項目と、その陽性反応が検出されやすい採尿タイミング(特に初尿、中間尿、随時尿などの違い)について問われる問題です。特に尿道・前立腺系の疾患と初尿の関係性を理解しているかがポイントとなります。
混同注意
尿糖や尿ケトン体など、全身性疾患に関連する項目は、一般的に初尿と中間尿での濃度差が少ないため混同しやすい。また、尿沈渣で検出される成分(赤血球、白血球、円柱など)でも、その発生源や排出経路によって初尿で出やすいものと中間尿で出やすいものがあるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各検査項目がどの臓器・病態を反映し、その物質が尿路のどの部位から排出されるかを考え、採尿タイミングとの関連性を判断します。
関連知識
尿検査の種類と目的(早朝尿、随時尿、中間尿、初尿、蓄尿など)。特に初尿は尿道や前立腺の疾患スクリーニングに、中間尿は膀胱や腎臓の疾患スクリーニングに用いられることが多いです。尿白血球の検出は尿路感染症の重要な指標となります。