糞便の性状と疾患の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
細菌性赤痢は赤痢菌による大腸の感染症であり、大腸粘膜の炎症や潰瘍により、粘液と血液が混じった粘血便が特徴的な症状として現れます。
選択肢ごとの解説
- 1. 緑色便は胆汁色素の酸化によって生じ、小児では生理的ですが、大人で持続する場合は腸炎などを考慮します。総胆管結石は胆汁の流れを阻害し、便が白っぽくなる(灰白色便)ことがあります。正しくは:総胆管結石では胆汁の流れが阻害されるため、便は灰白色になることがあります。選びやすい理由:便の色と疾患の関連性を漠然と覚えていると、結石が何らかの色の異常を引き起こすイメージから選んでしまうかもしれません。混同注意:胆汁の異常と便の色の変化は関連が深いですが、具体的な色の変化と原因疾患が混同しやすいです。
- 2. 正解。細菌性赤痢は赤痢菌による感染症で、大腸の炎症や潰瘍を引き起こし、粘液と血液が混じった便(粘血便)が特徴的です。選びやすい理由:これは典型的な組み合わせであり、病態と症状が直接結びついているため、比較的選びやすい選択肢です。
- 3. アメーバ赤痢は赤痢アメーバによる感染症で、粘液と血液が混じった便(粘血便)、特にイチゴゼリー状粘血便が特徴的です。灰白色便は、胆汁の排泄が阻害されることによるもので、閉塞性黄疸や胆道閉塞などで見られます。正しくは:アメーバ赤痢では、イチゴゼリー状の粘血便が特徴的です。選びやすい理由:アメーバ赤痢も消化器感染症であり、便の異常を伴うため、誤って結びつけてしまう可能性があります。混同注意:細菌性赤痢とアメーバ赤痢の便の性状が混同しやすいです。また、胆汁の排泄障害による灰白色便の原因と混同することもあります。
- 4. 米の研ぎ汁様便はコレラの特徴的な便です。カンピロバクター腸炎では水様便や粘血便が見られますが、米の研ぎ汁様便ではありません。正しくは:カンピロバクター腸炎では水様便や粘血便が見られます。選びやすい理由:カンピロバクター腸炎は一般的な細菌性腸炎であり、水様便を伴うため、米の研ぎ汁様便のような重度の水様便と誤って結びつけてしまうかもしれません。混同注意:コレラと他の細菌性腸炎の便の性状が混同しやすいです。特に「水様便」という表現が共通するため、特徴的な便の性状を正確に覚えていないと間違えやすいです。
- 5. イチゴゼリー状粘血便はアメーバ赤痢の特徴的な便です。コレラでは、米の研ぎ汁のような白色混濁した水様便が見られます。正しくは:コレラでは、米の研ぎ汁のような水様便が見られます。選びやすい理由:コレラも感染性腸炎であり、重篤な便の異常を伴うため、特徴的なイチゴゼリー状粘血便と結びつけてしまう可能性があります。混同注意:アメーバ赤痢とコレラの便の性状が混同しやすいです。特に重度の感染症の便は似ているように感じられるため、それぞれの具体的な特徴を区別して覚える必要があります。
国試ポイント
便の性状は、消化器疾患、特に感染性腸炎の診断において重要な情報源となります。特定の疾患に特徴的な便の見た目を正確に覚えているかが問われます。特に鑑別が難しい複数の感染症における便の性状の違いを把握しておくことが重要です。
混同注意
細菌性赤痢とアメーバ赤痢の便の性状(粘血便、イチゴゼリー状粘血便)、コレラの米の研ぎ汁様便は混同しやすく、それぞれの病原体と病態を結びつけて理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、便の性状に関する問題が出た場合は、各疾患に特徴的な便の具体的な色、形状、内容物(粘液、血液、脂肪など)を細かく記憶しているかどうかが正答の鍵となります。また、小児と成人での便の性状の解釈の違いにも注意が必要です。
関連知識
・緑色便:新生児メレナ(タール便)、胆道閉鎖症(灰白色便)、消化管出血(タール便、血便)。新生児の胎便は緑色。成人では抗生物質服用や食中毒でも見られる。 ・灰白色便:胆道閉塞、閉塞性黄疸。 ・米の研ぎ汁様便:コレラ。 ・イチゴゼリー状粘血便:アメーバ赤痢。