酵素とその分類の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
デヒドロゲナーゼは、基質から水素原子(電子とプロトン)を取り除く脱水素反応を触媒する酵素の総称です。この反応は基質の酸化であり、同時に補酵素などが還元されるため、デヒドロゲナーゼは酸化還元酵素(EC 1)に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. キナーゼはリン酸基を転移させる酵素であり、転移酵素(EC 2)に分類されます。正しくは:キナーゼ − 転移酵素選びやすい理由:酵素名と分類を暗記していると、混乱して誤った組み合わせを選んでしまう可能性があります。混同注意:異性化酵素は分子内で原子の再配置を行う酵素です。キナーゼとは作用が異なります。
- 2. アルドラーゼは炭素-炭素結合を切断するリアーゼ(脱離酵素、EC 4)に分類されます。正しくは:アルドラーゼ − 脱離酵素選びやすい理由:アルドラーゼが関与する反応をよく知らない場合、一般的な「酵素」のイメージから転移酵素と混同するかもしれません。混同注意:転移酵素は、ある分子から別の分子へ官能基を移動させる酵素です。
- 3. エステラーゼはエステル結合を加水分解する酵素であり、加水分解酵素(EC 3)に分類されます。正しくは:エステラーゼ − 加水分解酵素選びやすい理由:「脱離」という言葉の響きから、分解反応であるエステルの切断と結びつけてしまう可能性があります。混同注意:脱離酵素は、水以外の分子の付加・脱離を伴わずに結合を切断する酵素です。加水分解酵素は水を用いて結合を切断します。
- 4. 正解。デヒドロゲナーゼは、基質から水素(電子とプロトン)を除去する反応(脱水素反応)を触媒し、これは酸化還元反応の一種であるため、酸化還元酵素(EC 1)に分類されます。
- 5. トランスフェラーゼは官能基を転移させる酵素であり、転移酵素(EC 2)に分類されます。正しくは:トランスフェラーゼ − 転移酵素選びやすい理由:「移す」と「分解する」という異なる概念を混同しやすいです。混同注意:加水分解酵素は水を用いて結合を切断する酵素です。
国試ポイント
酵素のEC分類(国際生化学・分子生物学連合酵素委員会分類)に関する基本的な知識が問われています。主要な酵素の名称と、それぞれが属する6つの主要な酵素分類(酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素、合成酵素)との対応関係を正確に理解しているかが重要です。特に、酵素名からその機能、ひいては分類を導き出せる必要があります。
混同注意
各酵素名の語尾(-ase)が共通しているため、具体的な機能や分類を混同しやすいです。特に、分解系の酵素(加水分解酵素、脱離酵素)や、基質を変化させる酵素(転移酵素、異性化酵素)の間で混乱が生じやすいでしょう。デヒドロゲナーゼとオキシダーゼ(酸化酵素)も同じ酸化還元酵素ですが、具体的な反応様式が異なります。
次に同じ論点が出たら
この論点が再度出題された場合、EC分類の他の5つの主分類に属する代表的な酵素について、その名称と分類が正しく対応しているかを確認する問題が予想されます。特に、異性化酵素や合成酵素(リガーゼ)など、今回の選択肢になかった分類に注目すべきです。
関連知識
酵素のEC分類は、以下の6つの主分類に分けられます。EC 1: 酸化還元酵素、EC 2: 転移酵素、EC 3: 加水分解酵素、EC 4: 脱離酵素(リアーゼ)、EC 5: 異性化酵素、EC 6: 合成酵素(リガーゼ)。それぞれの分類に属する代表的な酵素とその機能を理解することが重要です。例えば、キナーゼはリン酸基転移酵素、エステラーゼはエステル結合加水分解酵素、アルドラーゼはリアーゼの一種、などが挙げられます。