我が国において最も頻度の高い悪性リンパ腫はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、日本だけでなく世界的に見ても、悪性リンパ腫の中で最も頻度が高い組織型です。非ホジキンリンパ腫の約30〜40%を占めるとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 濾胞性リンパ腫はインドレント(低悪性度)リンパ腫の中で比較的頻度が高いですが、日本における悪性リンパ腫全体で最も頻度が高いわけではありません。正しくは:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が最も頻度が高いです。選びやすい理由:低悪性度リンパ腫の中では多い部類に入るため、選んでしまう可能性があります。混同注意:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫との全体的な頻度の比較。
- 2. Burkittリンパ腫は進行が非常に速い高悪性度リンパ腫ですが、日本では稀なタイプであり、最も頻度が高いわけではありません。正しくは:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が最も頻度が高いです。選びやすい理由:特異的な病態や遺伝子異常で有名であるため、知識として印象に残りやすいですが、頻度が高いわけではありません。混同注意:特定の疾患名と一般的な頻度の関係。
- 3. Hodgkinリンパ腫は悪性リンパ腫全体の中で約10%程度を占めるに過ぎず、日本では非ホジキンリンパ腫の方が圧倒的に頻度が高いです。正しくは:非ホジキンリンパ腫に分類されるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫が最も頻度が高いです。選びやすい理由:悪性リンパ腫の主要な分類(ホジキン/非ホジキン)としてよく挙げられるため、全体での頻度が高いと誤解しやすいかもしれません。混同注意:悪性リンパ腫の主要な分類と、その中で最も多い特定の組織型との混同。
- 4. マントル細胞リンパ腫は非ホジキンリンパ腫の一部ですが、全悪性リンパ腫の中での頻度は約5%程度と比較的低い方です。正しくは:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が最も頻度が高いです。選びやすい理由:特定の遺伝子異常(t(11;14))で特徴づけられるため、これも知識として印象に残りやすいですが、頻度が高いわけではありません。混同注意:特異的な特徴を持つリンパ腫の知名度と、その頻度。
- 5. 正解。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、日本を含む多くの国で最も頻度が高い非ホジキンリンパ腫であり、全悪性リンパ腫の約30〜40%を占めます。
国試ポイント
悪性リンパ腫の分類と、それぞれの主要な組織型が日本においてどの程度の頻度であるか、特に最も多いものについて正確な知識が問われています。診断学や疫学の基本的な内容です。
混同注意
ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の大きな分類と、非ホジキンリンパ腫内の多様な組織型の頻度を混同しやすい。特に、濾胞性リンパ腫やマントル細胞リンパ腫のように特徴的なリンパ腫や、Burkittリンパ腫のように重篤なリンパ腫の名前は印象に残りやすいが、それが頻度と直結しない点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
悪性リンパ腫の疫学に関する問題が出た場合、まずは日本の疫学データを踏まえているかを確認する。次に、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫のどちらを問うているのか、あるいは非ホジキンリンパ腫の特定の組織型を問うているのかを区別し、それぞれの代表的な組織型とその頻度、特徴を比較検討する。
関連知識
悪性リンパ腫はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、非ホジキンリンパ腫はさらにB細胞性、T/NK細胞性、その他のサブタイプに分類されます。それぞれのサブタイプ内にも様々な組織型が存在し、頻度、悪性度(インドレント、アグレッシブ、高悪性度)、予後、治療法が異なります。日本で多い組織型としては、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の他、濾胞性リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫(アジアで比較的多い)、末梢性T細胞リンパ腫なども挙げられます。