神経組織の染色に用いないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
選択肢1のBodian染色、2のKlüver-Barrera染色、3のNissl染色、5のPTAH染色は、いずれも神経細胞、神経線維、髄鞘、Nissl小体、グリア線維といった神経組織の構成要素を染め分けるために用いられる代表的な染色法です。一方、4のorcein染色は主に弾性線維を染めるための染色法であり、神経組織の観察を目的として日常的に用いられることはありません。
選択肢ごとの解説
- 1. Bodian染色は、神経原線維や軸索を銀で染め出す神経組織の主要な染色法です。正しくは:「神経組織の染色に用いない」ではなく、「神経組織の染色に用いる」が正しい。選びやすい理由:神経組織の染色法としてよく知られているため、正しい選択肢だと誤解する可能性があります。混同注意:他の神経染色法と混同することは少ないですが、神経組織でないものを染める染色法との区別は重要です。
- 2. Klüver-Barrera染色は、髄鞘(ミエリン)と神経細胞を同時に染め分け、中枢神経系の構造を観察するのに非常に有用な染色法です。正しくは:「神経組織の染色に用いない」ではなく、「神経組織の染色に用いる」が正しい。選びやすい理由:髄鞘を染める代表的な方法であるため、神経組織の染色として適切だと判断しやすいです。混同注意:この染色法は髄鞘だけでなくNissl小体も染めるため、Nissl染色などと混同されることがあります。
- 3. Nissl染色は、神経細胞の細胞質内に存在するNissl小体(粗面小胞体とリボソームの集合体)を染め出し、神経細胞の形態や病変を観察するのに広く使われます。正しくは:「神経組織の染色に用いない」ではなく、「神経組織の染色に用いる」が正しい。選びやすい理由:神経細胞自体を染めるため、神経組織の染色法としてすぐに認識できます。混同注意:Nissl小体と他の細胞内構造(例:核、ミトコンドリア)の染め分けや、他の神経染色法(例:Klüver-Barrera染色の一部)との関連で混同することがあります。
- 4. 正解。orcein染色は、主に弾性線維を特異的に染め出す染色法であり、神経組織の主要な染色法としては使用されません。肝臓のB型肝炎ウイルス抗原(HBs抗原)の検出にも用いられますが、神経組織の観察が主な目的ではありません。選びやすい理由:「染色」という言葉から、組織染色の一種であることは認識できても、特定の組織との関連を正確に知らないと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:他の一般的な組織染色法(例:HE染色、PAS染色)や、神経組織に特異的な染色法(例:Bodian、Klüver-Barrera、Nissl)と混同することがあります。
- 5. PTAH(リンタングステン酸ヘマトキシリン)染色は、神経組織においてはグリア線維(アストロサイト線維)や髄鞘、筋肉などを染め出すのに用いられます。特に神経膠腫の診断などで有用です。正しくは:「神経組織の染色に用いない」ではなく、「神経組織の染色に用いる」が正しい。選びやすい理由:様々な組織を染める汎用性の高い染色法であるため、神経組織にも用いられることを知らずに誤答として選択してしまう可能性があります。混同注意:PTAH染色が染める様々な成分(線維素、横紋筋、グリア線維など)と、その多様性ゆえに特定の組織との関連付けが難しいと感じることがあります。特に神経組織におけるグリア線維染色としての側面を見落としがちです。
国試ポイント
神経組織の主要な染色法とその用途を正確に区別できるか、また他の組織に特異的な染色法と混同しないかを確認する問題です。特に、基本的な神経染色法と、特定の成分(例:弾性線維)を染める染色法を区別できる知識が問われます。
混同注意
神経組織染色法(Bodian、Klüver-Barrera、Nissl、PTAHなど)と、それ以外の組織や成分を染める染色法(orcein、HE、PASなど)。特に、神経組織内でも複数の成分を染め分けるKlüver-BarreraやPTAHといった複合的な染色法の理解が重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、基本的な神経染色法の一覧と、それらが何を染めるか(Nissl小体、軸索、髄鞘、グリア線維など)を正確に覚えているかを確認する。また、他の主要な組織(結合組織、筋組織、内分泌組織など)に用いられる特殊染色についても区別できるか。
関連知識
組織学染色法の原理(酸性・塩基性色素、金属染色、酵素抗体法など)、各染色法の標的成分(核、細胞質、結合組織、神経線維、髄鞘、弾性線維など)、主要な組織の病理診断に用いられる特殊染色。