ビリルビン代謝について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ビリルビン代謝の最初のステップでは、古くなった赤血球中のヘモグロビンからヘムが放出されます。このヘムのポルフィリン環は、ヘムオキシゲナーゼという酵素の作用によって開環され、ビリベルジンが生成されます。これはビリルビン生成の出発点となる重要な反応です。
選択肢ごとの解説
- 1. ウロビリンが腸肝循環するという認識は誤りです。腸肝循環するのは主にウロビリノーゲンです。ウロビリンはウロビリノーゲンが酸化されたもので、主に便として排泄されます。正しくは:ウロビリノーゲンは腸肝循環します。選びやすい理由:ウロビリノーゲンが腸肝循環することは知っているため、その代謝産物であるウロビリンも同様に循環すると誤解しやすいです。混同注意:ウロビリノーゲンとウロビリンの代謝経路、特に腸肝循環に関わる物質を混同しやすいです。
- 2. ウロビリノゲンになるのは、腸内細菌による直接ビリルビンの還元ですが、直接ビリルビンが直接還元されるわけではなく、まず腸内細菌の酵素(β-グルクロニダーゼなど)によって抱合が外され非抱合型ビリルビン(間接ビリルビン)に戻った後、還元されてウロビリノーゲンになります。または、抱合型ビリルビンがそのまま還元される経路も存在しますが、主経路としては抱合解除が先行します。正しくは:直接ビリルビンは腸内細菌によって脱抱合され、その後還元されてウロビリノゲンになります。選びやすい理由:直接ビリルビンがウロビリノーゲンに代謝される過程があるため、簡略化して考えると「直接ビリルビンが還元されウロビリノゲンになる」と捉えがちです。混同注意:直接ビリルビンからウロビリノゲンへの変換過程における「脱抱合」のステップの有無と、還元反応の対象を混同しやすいです。
- 3. 間接ビリルビンは水に溶けにくく、腸管へ直接排泄されません。腸内細菌による加水分解を受けるのは、胆汁中に排泄された抱合型ビリルビン(直接ビリルビン)が、腸内細菌が持つβ-グルクロニダーゼなどの酵素により脱抱合される過程です。正しくは:直接ビリルビンは、腸内細菌によって加水分解(脱抱合)を受けます。選びやすい理由:腸内細菌がビリルビン代謝に関与することは事実であるため、間接ビリルビンがその対象となると誤解しやすいです。混同注意:間接ビリルビンと直接ビリルビン、およびそれぞれの腸内細菌との相互作用を混同しやすいです。
- 4. デルタビリルビン(δ-ビリルビン)は、直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)がアルブミンと共有結合した形態です。間接ビリルビンはアルブミンと非共有結合で結合していますが、これはδ-ビリルビンとは別のものです。正しくは:デルタビリルビンは、直接ビリルビンにアルブミンが共有結合した形態です。選びやすい理由:ビリルビンがアルブミンと結合することは一般知識として知られているため、その結合様式やビリルビンの種類を混同しやすいです。混同注意:間接ビリルビンとアルブミンの非共有結合、および直接ビリルビンとアルブミンの共有結合(δ-ビリルビン)を混同しやすいです。
- 5. 正解。ヘムオキシゲナーゼは、ヘムのポルフィリン環を鉄と一酸化炭素とともにビリベルジンへと開環させる酵素であり、ビリルビン代謝の最初の段階です。これは正しい記述です。
国試ポイント
ビリルビン代謝経路の各ステップにおける物質名、酵素名、反応の種類、および物質の特性(溶解性、結合形式など)を正確に理解しているかを問う問題です。特に、主要な代謝物(ヘム、ビリベルジン、間接ビリルビン、直接ビリルビン、ウロビリノーゲン、ウロビリン、δ-ビリルビン)とその相互関係、そしてそれぞれの反応に関わる主要な酵素がポイントとなります。
混同注意
ウロビリノーゲンとウロビリンの腸肝循環、直接ビリルビンと間接ビリルビンの代謝経路、特に腸内細菌による作用、δ-ビリルビンの定義、各代謝ステップの酵素名を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、ヘムの分解酵素、抱合酵素、腸内細菌の役割、各ビリルビン分画(間接、直接、δ)の定義と生理的意義、そして排泄経路(尿中、便中)を正確に識別できるかを確認します。
関連知識
ヘムの分解、ビリベルジンの生成と還元、ビリルビン抱合(グルクロン酸抱合)、胆汁排泄、腸肝循環、ウロビリノーゲンの生成と排泄。新生児黄疸や肝疾患でのビリルビン分画の変化についても関連知識となります。