H-E染色標本(別冊No. 6)を別に示す。臓器または組織はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
画像はH-E染色標本であり、小脳特有の三層構造(分子層、プルキンエ細胞層、顆粒細胞層)が明瞭に観察できます。特に、分子層と顆粒細胞層の間に大型でフラスコ型のプルキンエ細胞が整然と一層に並んでいるのが特徴的であり、これが小脳である決め手となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 下垂体は腺細胞からなる内分泌器官であり、神経組織とは異なる組織像を示します。前葉は索状に配列する腺細胞と毛細血管網からなり、後葉は神経分泌細胞の軸索終末とグリア細胞(ピチュイサイト)からなります。このような層構造は認められません。正しくは:下垂体は前葉の腺細胞と後葉の神経線維・グリア細胞の混在が特徴です。選びやすい理由:脳の一部であるため、混同する可能性があります。混同注意:他の内分泌器官、あるいは神経組織の他の部位(特に大脳)
- 2. 硬膜は密性結合組織であり、膠原線維が豊富で細胞成分は少ないです。画像のような明瞭な層構造や特徴的な神経細胞は見られません。正しくは:硬膜はコラーゲン線維が密に走行する結合組織です。選びやすい理由:脳を覆う組織であるため、関連性から選択肢として考える可能性があります。混同注意:他の結合組織、あるいは脳組織そのもの
- 3. 正解。画像には小脳皮質の三層構造(分子層、プルキンエ細胞層、顆粒細胞層)が明瞭に観察されます。特に、大型のプルキンエ細胞が顆粒細胞層の上縁に一層に並んでいるのが特徴的です。選びやすい理由:小脳の組織学的特徴を理解していれば、容易に判別できます。混同注意:大脳皮質
- 4. 大脳皮質は、6層構造を特徴としますが、小脳のような大型のプルキンエ細胞が単層に並ぶ構造は認められません。大脳皮質では錐体細胞が主要な神経細胞であり、形態もプルキンエ細胞とは異なります。正しくは:大脳皮質は6層構造を呈し、錐体細胞が特徴的です。選びやすい理由:脳組織であるため、小脳との区別が難しいと感じる受験生もいます。混同注意:小脳、あるいは他の神経組織
- 5. 末梢神経は、神経線維(軸索と髄鞘)とシュワン細胞、結合組織(神経内膜、神経周膜、神経上膜)から構成されます。画像に見られるような皮質構造やプルキンエ細胞は存在しません。正しくは:末梢神経は神経線維の束とシュワン細胞、結合組織で構成されます。選びやすい理由:神経組織の一部であるため、選択肢として考慮される可能性があります。混同注意:中枢神経組織、特に灰白質
国試ポイント
中枢神経系の組織学的特徴(特に小脳の層構造とプルキンエ細胞の形態と配置)を理解しているか。
混同注意
大脳皮質も層構造を持ちますが、プルキンエ細胞の存在と特徴的な三層構造は小脳に特有です。末梢神経では神経節細胞や神経線維が見られますが、このような皮質様構造は認められません。
次に同じ論点が出たら
H-E染色標本で神経組織を見る場合、プルキンエ細胞の有無と、分子層、プルキンエ細胞層、顆粒細胞層からなる三層構造が確認できれば小脳と判断します。
関連知識
小脳のプルキンエ細胞は抑制性ニューロンであり、運動機能の調節において重要な役割を担います。プルキンエ細胞から伸びる樹状突起は分子層に広がり、顆粒細胞の軸索(平行線維)とシナプスを形成します。顆粒細胞は脳内で最も数の多い神経細胞です。