銅の代謝異常はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Wilson病は、ATP7B遺伝子の変異により、銅の排泄に必要なトランスポーターの機能が低下し、体内に銅が過剰に蓄積する遺伝性疾患です。診断には血清セルロプラスミン値の低下、肝生検での銅濃度上昇、尿中銅排泄量の増加などが指標となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Wilson病は銅の肝臓からの胆汁排泄障害とセルロプラスミンへの銅取り込み障害により、体内に銅が過剰に蓄積する遺伝性疾患です。
- 2. Addison病は副腎皮質の機能低下によるホルモン欠乏症で、銅の代謝異常とは直接関連がありません。正しくは:Addison病は、副腎皮質機能低下症であり、主にコルチゾールやアルドステロンといったホルモンの欠乏が特徴です。選びやすい理由:疾患名として知名度があるため、なんとなく選んでしまう可能性があります。混同注意:他の内分泌疾患や代謝性疾患と混同されることがあります。
- 3. アミロイドーシスは異常なタンパク質であるアミロイドが臓器に沈着する疾患であり、銅の代謝異常とは関係がありません。正しくは:アミロイドーシスは、全身あるいは局所にアミロイド線維が沈着することで、臓器の機能障害を引き起こす疾患です。選びやすい理由:全身性疾患であり、様々な臓器に影響を及ぼすため、代謝異常の一種と誤解されることがあります。混同注意:さまざまな原因で発生する全身性疾患と混同されやすいです。
- 4. ヘモクロマトーシスは鉄の過剰な蓄積によって臓器障害を引き起こす疾患であり、銅の代謝異常ではありません。正しくは:ヘモクロマトーシスは、鉄の吸収が亢進し、肝臓、心臓、膵臓などの臓器に過剰な鉄が沈着する遺伝性疾患です。選びやすい理由:「○○クロマトーシス」という語感から、何らかの金属代謝異常を連想しやすいため、銅と鉄を混同する可能性があります。混同注意:他の金属代謝異常(特に鉄)と混同されやすいです。
- 5. フェニルケトン尿症はアミノ酸の一種であるフェニルアラニンの代謝酵素が欠損している疾患で、銅の代謝異常とは異なります。正しくは:フェニルケトン尿症は、フェニルアラニン水酸化酵素の遺伝的欠損により、フェニルアラニンが体内に蓄積する常染色体劣性遺伝疾患です。選びやすい理由:先天性代謝異常症であるため、他の先天性代謝異常症と混同する可能性があります。混同注意:他の先天性代謝異常症(特にアミノ酸代謝異常)と混同されやすいです。
国試ポイント
本問題は、疾患とその原因となる代謝物質の関連性を問う基礎的な知識問題です。特に、Wilson病(銅)、ヘモクロマトーシス(鉄)、フェニルケトン尿症(フェニルアラニン)といった代表的な先天性代謝異常症については、原因物質と病態を正確に理解しておく必要があります。
混同注意
ヘモクロマトーシス(鉄代謝異常)や、その他の先天性代謝異常症(例: ガラクトース血症、メープルシロップ尿症など)と混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、主要な金属(鉄、銅など)やアミノ酸、糖などの代謝異常を伴う疾患について、それぞれの原因物質と病態、主な症状を正確に結びつけて解答できるかを確認します。
関連知識
Wilson病の症状には肝機能障害、神経症状(振戦、ジストニア)、精神症状、カイザー・フライシャー角膜輪などがあります。治療には銅の排出を促進するキレート剤や、銅の吸収を阻害する亜鉛製剤などが用いられます。