リポ蛋白粒子のコア部分に多く含まれるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
リポタンパク質粒子は、中心部に疎水性の脂質(トリグリセリドとエステル型コレステロール)を、表面に親水性の成分(リン脂質、遊離型コレステロール、アポリポタンパク質)を配置した構造をしています。これは、水溶性の血漿中で疎水性脂質を安定して運搬するための効率的な形態です。したがって、コア部分にはトリグリセリドとエステル型コレステロールが豊富に含まれます。
選択肢ごとの解説
- 1. リン脂質はリポタンパク質粒子の表面を構成する主要な成分であり、極性頭部が水相に向かい、疎水性尾部がコアに向かって並びます。これにより、疎水性のコア成分を水溶性の血漿中で安定に運搬できます。コア部分にはほとんど含まれません。正しくは:リン脂質はリポタンパク質粒子の表面層(シェル)を構成します。選びやすい理由:脂質であるため、リポタンパク質に関連すると感じるかもしれませんが、その役割は表面構造にあります。混同注意:コア成分と表面成分の区別が曖昧だと間違えやすいです。
- 2. アポリポタンパク質はリポタンパク質粒子の表面に結合しているタンパク質で、脂質代謝酵素の活性化や受容体への結合など、多様な機能を持っています。粒子の安定化にも寄与しますが、コア部分を形成する主要な脂質ではありません。正しくは:アポリポタンパク質はリポタンパク質粒子の表面に存在し、機能に関与します。選びやすい理由:リポタンパク質の重要な構成要素であるため、正しい選択肢に思えるかもしれません。混同注意:リポタンパク質の構成成分全般と、特にコア部分の構成成分を混同しやすいです。
- 3. 正解。トリグリセリドは非常に疎水性が高く、リポタンパク質粒子の内部(コア)に蓄えられて運搬されます。特にカイロミクロンやVLDL(超低密度リポタンパク質)の主要なコア脂質です。
- 4. 遊離型コレステロール(非エステル型コレステロール)は、そのヒドロキシル基が極性を持つため、リポタンパク質粒子の表面、リン脂質単分子膜の中に埋め込まれて存在し、膜の流動性を調整する役割を担っています。コア部分にはほとんど含まれません。正しくは:遊離型コレステロールはリポタンパク質粒子の表面層に存在します。選びやすい理由:コレステロールはリポタンパク質の重要な成分ですが、遊離型は表面に存在することを見落としがちです。混同注意:遊離型コレステロールとエステル型コレステロールの存在部位の違いを混同しやすいです。
- 5. 正解。エステル型コレステロールは、コレステロールのヒドロキシル基に脂肪酸がエステル結合したもので、極性が失われ非常に疎水性が高くなります。そのため、トリグリセリドと同様にリポタンパク質粒子のコア部分に蓄えられて運搬されます。特にLDL(低密度リポタンパク質)やHDL(高密度リポタンパク質)の主要なコア脂質です。
国試ポイント
リポタンパク質の基本的な構造と、その構成成分の存在する場所(コアか表面か)を正確に理解しているかを問う問題です。特に、トリグリセリドとエステル型コレステロールがコア成分であり、リン脂質、遊離型コレステロール、アポリポタンパク質が表面成分であることを区別できるかが重要です。
混同注意
リポタンパク質の構成成分全般を問う問題と混同しやすい。特に「コレステロール」と一括りに考えず、遊離型とエステル型で存在部位が異なることを理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、個々のリポタンパク質(LDL, HDLなど)がどのような脂質を主に運搬しているか、またどのアポリポタンパク質を特徴的に持つか、さらにその生理的機能まで深く問われる可能性があります。
関連知識
リポタンパク質の種類(カイロミクロン、VLDL、LDL、HDL)ごとの主要な構成脂質やアポリポタンパク質、それぞれの代謝経路と生理的役割。脂質代謝異常症の種類と診断。