子宮頸部細胞診のPapanicolaou染色標本(別冊No. 6)を別に示す。腫瘍細胞所見について正しいのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
下に示す画像の子宮頸部細胞診標本では、核異型が強く、特に核小体が大きく明瞭に観察される腫瘍細胞が特徴的である。核小体の明瞭化は、細胞の増殖活性が高いことを示唆する悪性所見の一つである。
選択肢ごとの解説
- 1. 低悪性度病変では角化が強く見られることがあるが、この問題で示されるような高度異形成や扁平上皮癌では、角化よりも未分化な特徴が強く出る。正しくは:高度異形成や扁平上皮癌では、角化は主要な特徴ではない。ただし、特殊な扁平上皮癌(例:角化型扁平上皮癌)では見られる。選びやすい理由:扁平上皮細胞由来の腫瘍であるため、角化を連想しやすい。混同注意:正常の扁平上皮細胞や一部の低悪性度病変での角化と混同しやすい。
- 2. 腫瘍細胞の核は濃染を示すことが多いが、核濃染は一般的に細胞診の複数の悪性所見の一つであり、最も特徴的な所見とは限らない。また、画像では核小体の明瞭化がより顕著な特徴として挙げられる。正しくは:確かに悪性細胞は核濃染を示すが、より特徴的な所見が選択肢にある場合、そちらを選ぶべきである。選びやすい理由:悪性所見の一つであるため、正しく見える。混同注意:悪性細胞全般に見られる変化の一つであり、特異的な所見ではないことと混同しやすい。
- 3. 核分裂像は悪性腫瘍の増殖を示す重要な所見であるが、必ずしも画像で明確に観察できるとは限らない。また、核分裂像自体が悪性細胞の特徴というより、増殖活性の指標である。正しくは:核分裂像は悪性所見の一つだが、画像で常に明確に確認できるわけではない。この画像からは、核小体の明瞭化がより強く示唆される。選びやすい理由:悪性腫瘍の細胞増殖を直接示す所見であるため、重要であると判断しやすい。混同注意:悪性度判定における重要な指標であることと、画像から直接的に見て取れる所見であることの区別がつきにくい。
- 4. 層状構造は、扁平上皮の分化段階や正常構造に見られる特徴であり、悪性腫瘍細胞では通常、構造の乱れやバラバラになる傾向があるため、層状構造は観察されにくい。正しくは:腫瘍細胞では層状構造は通常消失し、細胞の異型性や配列の乱れが特徴となる。選びやすい理由:扁平上皮由来であるため、正常組織の層状構造を連想してしまう。混同注意:正常な扁平上皮の構造と、悪性腫瘍細胞の構造的特徴を混同しやすい。
- 5. 正解。悪性腫瘍細胞、特に増殖能の高い腫瘍細胞では、核小体が大きく、数が増え、明瞭に見えることが多い。これはタンパク質合成が活発に行われていることを示し、悪性所見の一つとして重要である。提示された画像では、この特徴が顕著に観察される。選びやすい理由:悪性所見の中でも特に、増殖が活発な腫瘍細胞で観察されやすい特徴である。
国試ポイント
本問題は、子宮頸部細胞診における腫瘍細胞の重要な形態学的特徴、特に核の変化(核小体)を正しく識別できるか否かを問う。悪性所見を構成する複数の要素の中から、画像で最も顕著かつ特徴的な所見を選ぶ能力が求められる。
混同注意
核濃染など、他の悪性所見と混同しやすい。しかし、画像から読み取れる最も特徴的な所見を選ぶ必要がある。核分裂像は悪性所見だが、画像で常に見えるわけではない。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題が出題された場合、まず核の形態変化(大きさ、形、クロマチンの分布、核膜の状態)に注目し、次に細胞質の特徴やN/C比を確認する。特に、核小体は増殖が活発な細胞で明瞭になるため、重要な判断基準となる。
関連知識
子宮頸部細胞診における悪性所見としては、核の大小不同、核形不整、クロマチン増量と不均等分布、核膜の肥厚・不整、そして核小体の明瞭化・巨大化などが挙げられる。細胞質ではN/C比の増大や、細胞質の好塩基性増加、異型角化なども見られる。