尿沈渣の無染色標本(別冊No. 1)を別に示す。認められる結晶はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
画像の中央には、六角板状の無色の結晶が認められます。これはシスチン結晶に特徴的な形態です。シスチン結晶は尿細管でのシスチンの再吸収障害により尿中に排泄されるシスチンが結晶化したもので、シスチン尿症を示唆する重要な所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿酸結晶は菱形、樽形、長方形など多様な形態をとり、画像のような六角板状とは異なります。また、しばしば黄色〜赤褐色を呈します。正しくは:尿酸結晶は酸性尿で多くみられ、様々な形状の結晶として観察されます。選びやすい理由:尿酸結晶も比較的よく見られる結晶であり、無色の結晶も存在するため、形状の判断が不明確だと誤って選択する可能性があります。混同注意:シスチン結晶(六角板状)、シュウ酸カルシウム結晶(八面体、ダンベル形)
- 2. 正解。画像の中央に観察される無色透明で明瞭な六角板状の結晶は、シスチン結晶に非常に特徴的な形態です。シスチン結晶はシスチン尿症患者の尿中にしばしば認められます。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、画像所見と特徴が一致します。
- 3. ビリルビン結晶は一般に黄色から褐色の顆粒状、針状、あるいは不規則な塊状の結晶として観察されます。画像に見られるような六角板状で無色の結晶ではありません。正しくは:ビリルビン結晶は通常、肝疾患や胆道閉塞などでビリルビンが尿中に排泄された際に認められ、黄色から褐色を呈します。選びやすい理由:結晶の種類を識別する知識が不足している場合、無作為に選択される可能性があります。混同注意:尿酸結晶(色調が似ている場合がある)
- 4. リン酸カルシウム結晶は通常、アルカリ尿で出現しやすく、不定形のアモルファス状、あるいは棒状、ロゼット状の形態をとることが多いです。画像のような明瞭な六角板状ではありません。正しくは:リン酸カルシウム結晶は、アモルファス状や棒状、あるいはロゼット状など多様な形態を呈します。選びやすい理由:無色透明な結晶であるため、形状の確認が不十分だとシスチン結晶と誤認する可能性があります。混同注意:アモルファスリン酸(不定形)、シスチン結晶(無色である点)
- 5. シュウ酸カルシウム結晶は、一般的に八面体(封筒状)またはダンベル状の形態をとります。画像に見られるような六角板状の結晶とは明らかに異なります。正しくは:シュウ酸カルシウム結晶は、八面体(封筒状)やダンベル状の形態を呈します。選びやすい理由:比較的頻繁に観察される結晶であるため、形状の認識が不正確だと誤って選択される可能性があります。混同注意:シスチン結晶(無色である点)、リン酸カルシウム結晶(八面体状の結晶と混同する可能性)
国試ポイント
尿沈渣で認められる結晶の種類とその特徴的な形態、およびそれが示唆する疾患を正確に識別できること。
混同注意
尿酸結晶やリン酸カルシウム結晶など、他の無色透明の結晶と混同しやすいですが、シスチン結晶は特徴的な六角板状で区別できます。尿酸結晶は菱形、長方形、樽形など多様な形態を呈し、リン酸カルシウムはアモルファス状や棒状、ロゼット状を呈することが多いです。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題が出題された際は、結晶の形が六角板状であるかをまず確認し、その上で色調(無色であるか)、尿pHなどの臨床情報を合わせて判断します。特に六角板状はシスチン結晶の最も重要な鑑別点です。
関連知識
シスチン尿症は常染色体劣性遺伝疾患であり、シスチンおよび他のアミノ酸(オルニチン、アルギニン、リジン)の尿細管再吸収障害を特徴とします。シスチン結晶は尿路結石の原因となることがあります。尿のpHは一般的に酸性から中性で認められやすいです。