関節液中にピロリン酸カルシウムが認められるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
偽痛風(CPPD沈着症)は、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶が関節軟骨に沈着し、急性関節炎を引き起こす疾患です。関節液検査でピロリン酸カルシウム結晶が検出されることが診断の重要な根拠となります。これらの結晶は通常、偏光顕微鏡下で弱い正の複屈折を示し、菱形または直方形の形態をしています。
選択肢ごとの解説
- 1. 痛風では尿酸ナトリウム結晶が関節液中に認められます。ピロリン酸カルシウム結晶ではありません。正しくは:痛風では尿酸ナトリウム結晶が認められる。選びやすい理由:関節痛を伴う結晶性関節炎として頻繁に出題されるため、混同しやすい。混同注意:偽痛風と痛風は、どちらも関節炎を起こす結晶性関節炎であるため、結晶の種類を混同しやすい。
- 2. 正解。偽痛風(CPPD沈着症)は、関節軟骨にピロリン酸カルシウム二水和物結晶が沈着し、急性関節炎を発症する疾患です。関節液中にピロリン酸カルシウム結晶が認められるのが特徴です。
- 3. 化膿性関節炎では、細菌感染によって関節液中に多数の白血球(特に好中球)や細菌が認められますが、ピロリン酸カルシウム結晶は認められません。正しくは:化膿性関節炎では、細菌や多数の好中球が関節液中に認められる。選びやすい理由:炎症性の関節炎である点は共通するため、他の結晶性関節炎と区別がつきにくい可能性がある。混同注意:他の炎症性関節炎(例:関節リウマチ)と混同しやすい。
- 4. 関節リウマチは自己免疫疾患であり、関節液中には炎症性細胞やリウマトイド因子などが認められますが、ピロリン酸カルシウム結晶は特徴的ではありません。正しくは:関節リウマチでは、炎症性細胞やリウマトイド因子などが関節液中に認められる。選びやすい理由:慢性的な関節炎の代表的な疾患であり、鑑別疾患として常に考慮されるため。混同注意:他の炎症性関節炎と混同しやすい。
- 5. 変形性関節症は、関節軟骨の変性・摩耗が主病態であり、関節液には軟骨の破片などが認められることはありますが、ピロリン酸カルシウム結晶の存在は診断の決め手ではありません。ただし、高齢者では偽痛風との合併が見られることもあります。正しくは:変形性関節症では、関節液中の炎症性所見は軽度で、軟骨の破片などが認められることがある。選びやすい理由:高齢者に多く、関節痛を訴える疾患であるため、関連疾患として想起される可能性がある。混同注意:関節痛を伴う他の関節疾患と混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、代表的な結晶性関節炎である痛風と偽痛風における関節液中の結晶の種類を正確に区別できるか、また他の関節疾患の関節液所見との違いを理解しているかを問うものです。特に、結晶の種類(尿酸ナトリウム vs ピロリン酸カルシウム)とそれに関連する疾患名を確実に覚えていることが重要です。
混同注意
痛風と偽痛風は、いずれも関節炎を引き起こす結晶性関節炎であるため、原因となる結晶の種類を混同しやすい。痛風は尿酸ナトリウム結晶、偽痛風はピロリン酸カルシウム結晶であることを明確に区別する必要がある。また、結晶の形状や偏光顕微鏡での複屈折性も鑑別点となる。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、関節液検査における結晶の種類だけでなく、結晶の形態(針状、菱形など)、偏光顕微鏡下での複屈折性(強い負、弱い正など)、そしてそれぞれの疾患の臨床像(好発部位、年齢など)と結びつけて判断する必要がある。
関連知識
痛風:尿酸ナトリウム結晶(針状、強い負の複屈折)。化膿性関節炎:細菌、多数の好中球。関節リウマチ:炎症性細胞、リウマトイド因子、時にラゴサイト。変形性関節症:軽度の炎症、軟骨成分。結晶の同定には偏光顕微鏡検査が必須である。