100 kHzの交流電流が体表の2か所に張り付けた電極間に流れたとき、およその最小感知電流と考えられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
高周波電流は、低周波電流と比較して人体に与える影響が異なります。特に100kHzのような高周波では、電流は体表面(皮膚)に沿って流れやすく(表皮効果)、皮膚のインピーダンスが低くなるため、同じ感覚を得るためにはより大きな電流が必要となります。一般的に、高周波交流電流の最小感知電流は低周波に比べて大幅に大きく、100mA程度から感知されるとされています。これ以上の電流では熱作用による火傷などの危険性が高まりますが、低周波で問題となる神経刺激や心室細動の危険性は低減します。
選択肢ごとの解説
- 1. これは通常、人体の最小感知電流よりもはるかに低い値であり、この程度の電流ではほとんど感知されません。特に高周波ではさらに感知されにくいです。正しくは:この値は微小すぎて、高周波電流が流れたとしても感知は困難です。選びやすい理由:非常に小さい値であるため、敏感な状況を想像して選んでしまう可能性があります。混同注意:直流や低周波の非常に敏感な状況での感知閾値と混同する可能性があります。
- 2. この電流値は、一般的に知られている最小感知電流よりも低い値であり、特に高周波電流においては感知されにくいです。正しくは:人体の最小感知電流は、通常これよりも高い値です。選びやすい理由:より低い電流値として、比較的安全な範囲と誤解して選ぶ可能性があります。混同注意:低周波電流の最小感知閾値や、より危険性が低いとされる電流値と混同することが考えられます。
- 3. この電流値は、一般的な最小感知電流に近い値ではありますが、高周波電流では皮膚のインピーダンスが低くなるため、同じ感覚を得るにはより大きな電流が必要になります。よって、1mAではまだ感知されない可能性が高いです。正しくは:高周波電流の場合、1mAでは感知されないことが多いです。より大きな電流が必要です。選びやすい理由:低周波における最小感知電流が1mA程度であるため、その知識と混同して選んでしまう可能性があります。混同注意:低周波交流電流の感知閾値(約1mA)と混同する可能性があります。
- 4. 正解。高周波電流(100kHz以上)では、皮膚のインピーダンスが低下し、電流が体表面を流れやすくなります(表皮効果)。そのため、低周波電流に比べて感知や危険性を感じるためには、はるかに大きな電流が必要になります。100mA程度が高周波における最小感知電流に近いとされています。この値は、一般的な低周波における最小感知電流(約1mA)や心室細動閾値(数十mA)と比較して著しく大きいですが、これは周波数特性によるものです。正しくは:適切です。選びやすい理由:低周波電流の知識からすると非常に大きな値に見えるため、選びにくいと感じるかもしれませんが、高周波の特性を理解していれば正しい選択肢です。混同注意:低周波交流電流の致死電流や心室細動電流の閾値(数mA~数十mA)と混同して、この値では危険すぎると誤解することがあります。
- 5. 1Aは高周波電流であっても、体表を流れると火傷を引き起こすなど、非常に危険なレベルの電流です。最小感知電流としては過剰に大きな値です。正しくは:1Aの電流は、高周波であっても感知できる最小値ではなく、重度の火傷や組織損傷を引き起こす可能性のある非常に危険な電流値です。選びやすい理由:高周波では非常に大きな電流が必要という知識から、極端な値を選んでしまう可能性があります。混同注意:高周波電流における安全限度や、致死量に近い電流値と混同する可能性があります。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、電気生理学、生体医工学、医療安全の知識として、周波数による電流の人体への影響の違いが問われます。特に、高周波電流の特性(表皮効果、インピーダンス低下、感知閾値の増大)と、低周波電流との比較が重要です。
混同注意
低周波交流電流の最小感知電流(約1mA)、痛みを感じる電流(数mA)、心室細動を起こす電流(数十mA)と混同しやすいです。周波数によって人体の電気的特性や反応が大きく異なる点を理解しているかが問われます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、まず電流の「周波数」を確認し、それが低周波か高周波かによって人体への影響や感知閾値が大きく異なることを判断する。特に高周波では表皮効果や皮膚インピーダンスの低下に着目し、低周波とは異なる「より大きな電流が必要」という特性を考慮して選択肢を選ぶ。
関連知識
表皮効果、皮膚インピーダンスの周波数依存性、神経興奮に対する周波数の影響、ジュール熱による熱傷、医療機器の安全基準(漏洩電流など)。