ヘリコバクター・ピロリ感染症の検査の検体として誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断に用いられる主な検体には、血清(抗体)、呼気(尿素呼気試験)、尿(抗体)、便(抗原)などがあります。胃液そのものを検体として直接検出することは一般的ではなく、侵襲的検査としては胃粘膜組織が用いられます。したがって、胃液は一般的な検査検体としては不適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。胃液中のピロリ菌を直接検出する方法は研究レベルでは存在しますが、臨床検査における標準的な診断検体としては、その採取の侵襲性や診断感度の問題から一般的に用いられません。胃粘膜生検組織を用いた直接検出の方が一般的です。正しくは:胃粘膜生検組織選びやすい理由:ピロリ菌は胃に生息するため、胃液に存在するように思える。混同注意:胃粘膜生検組織と胃液の区別。または、過去の研究レベルの報告と現在の臨床検査の標準の区別。
- 2. 血清はH. pyloriに対する抗体の有無を調べるために用いられます。これは非侵襲的なスクリーニング検査として広く利用されています。
- 3. 尿素呼気試験(UBT)は、H. pyloriが産生するウレアーゼ活性を利用した非侵襲的診断法で、検査前後の呼気中の二酸化炭素濃度を測定します。
- 4. 尿中H. pylori抗体検査は、血液検査と同様に非侵襲的なスクリーニング検査として利用されることがあります。特に小児などで採血が困難な場合に選択肢となり得ます。
- 5. 便中H. pylori抗原検査は、非侵襲的で感度・特異度が高く、H. pyloriの活動性感染の診断や除菌判定に広く用いられています。
国試ポイント
ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断に用いられる、侵襲的および非侵襲的な主要な検査方法とその検体を正しく理解しているか。特に、胃液という一見関連性のある検体が、実際には一般的ではないことを問うひっかけ問題。
混同注意
胃粘膜生検組織と胃液の混同。または、研究レベルの報告と一般的な臨床検査の区別。
次に同じ論点が出たら
H. pyloriの検査法に関する問題が出た場合、各検査法の原理、使用検体、適用(一次診断、除菌判定など)、侵襲性の有無を確認する。
関連知識
侵襲的検査(内視鏡下生検、培養、迅速ウレアーゼ試験)、非侵襲的検査(尿素呼気試験、血清・尿中抗体検査、便中抗原検査)それぞれの原理と特徴、感度・特異度、除菌判定への適用など。特に、スクリーニング検査と活動性感染診断の区別も重要。