大腸癌について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
大腸からの静脈血は門脈を経て肝臓に流入するため、大腸癌の血行性転移は肝臓に最も高頻度で発生します。これは解剖学的な経路に基づいた重要な知識です。
選択肢ごとの解説
- 1. 大腸癌のほとんどは腺癌であり、扁平上皮癌は非常に稀です。扁平上皮癌は食道や子宮頸部などに多く見られます。正しくは:大腸癌のほとんどは腺癌である。選びやすい理由:癌の種類に関する知識があいまいな場合、他の臓器で一般的な癌と混同しやすい。混同注意:胃癌の大部分も腺癌であり、消化管の癌種に関する知識と混同しやすい。
- 2. 正解。大腸からの門脈血流は直接肝臓へ流入するため、大腸癌の血行性転移は肝臓に最も多く発生します。
- 3. 大腸癌の発生部位はS状結腸と直腸が最も多く、全体の約60~70%を占めます。上行結腸は比較的発生頻度が低い部位です。正しくは:大腸癌はS状結腸と直腸に最も多く発生する。選びやすい理由:大腸全体で広く発生するため、特定の部位を最も多いと誤解しやすい。混同注意:憩室などの他の大腸疾患の好発部位と混同しやすい。
- 4. 大腸癌の肉眼分類は、隆起型、潰瘍限局型、潰瘍浸潤型、びまん浸潤型など多様であり、「潰瘍形成を示す」は肉眼分類の一形態に過ぎません。最も多いのは隆起型や潰瘍限局型が多いとされます。正しくは:大腸癌の肉眼分類には隆起型や潰瘍限局型、潰瘍浸潤型など多様な形態がある。選びやすい理由:進行癌で潰瘍形成が見られることが多いため、それを全体像と誤解しやすい。混同注意:胃癌の肉眼分類(Borrmann分類)の型と混同しやすい。
- 5. 早期大腸癌は、癌細胞の浸潤が粘膜下層までにとどまるものと定義されます。粘膜固有層までの浸潤は「粘膜内癌」であり、厳密には早期癌の定義の一部(粘膜内癌も含む)ですが、一般的には粘膜下層浸潤までを早期癌とします。正しくは:早期大腸癌は、癌細胞の浸潤が粘膜下層までにとどまるものと定義される。選びやすい理由:粘膜内癌という概念が存在するため、その範囲を早期癌の定義全体と誤解しやすい。混同注意:胃癌の早期癌の定義(粘膜下層まで)と同一であるため、この知識は応用できるが、粘膜固有層止まりという記載が誤り。
国試ポイント
大腸癌に関する基本的な病理学、疫学、転移経路についての知識が問われています。特に、好発部位、組織型、転移経路、早期癌の定義といった、頻出かつ重要な内容です。
混同注意
他の臓器の癌の好発部位や転移経路、組織型と混同しないように注意が必要です。例えば、肺癌は脳や骨への転移が多いなど、臓器特異的な転移経路を理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、大腸癌の好発年齢、危険因子(遺伝性疾患、炎症性腸疾患など)、スクリーニング検査(便潜血検査など)についても確認する。
関連知識
大腸癌のリンパ行性転移は所属リンパ節に起こる。大腸癌の組織型は95%以上が腺癌である。大腸癌の好発部位はS状結腸および直腸である。早期癌の定義は、浸潤が粘膜下層までにとどまる癌を指し、リンパ節転移の有無は問わない。