乾酪壊死を伴う肉芽腫を形成するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
結核症は、結核菌による感染症であり、その病理学的特徴として乾酪壊死を伴う肉芽腫形成が挙げられます。肉芽腫の中心部にチーズ状の壊死組織が認められるのが特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。結核症は、マクロファージや類上皮細胞、多核巨細胞(ラングハンス巨細胞)などからなる乾酪壊死性の肉芽腫を形成するのが典型的な病理組織学的特徴です。この乾酪壊死は、病巣の中心部に壊死した細胞や脂質がチーズ状に堆積するものです。
- 2. 放線菌症は、慢性炎症性の肉芽腫を形成することがありますが、乾酪壊死を伴うことは稀です。特徴的なのは「硫黄顆粒」と呼ばれる菌塊の形成と、化膿性炎症(膿瘍形成)です。正しくは:放線菌症は「硫黄顆粒」を伴う膿瘍形成が特徴です。選びやすい理由:炎症性の病変であるため、肉芽腫という言葉から連想されるかもしれませんが、乾酪壊死は伴いません。混同注意:結核と異なり、乾酪壊死ではなく膿瘍形成が主体です。
- 3. Hansen病(らい病)は、らい菌による肉芽腫性炎症を引き起こしますが、乾酪壊死を伴うことはありません。病型によって異なりますが、類上皮細胞肉芽腫や泡沫細胞(らい細胞)の浸潤が特徴的です。正しくは:Hansen病は、乾酪壊死ではなく、類上皮細胞肉芽腫やらい細胞の浸潤が特徴です。選びやすい理由:慢性的な感染症であり、肉芽腫を形成するため、知識が曖昧だと誤って選択する可能性があります。混同注意:結核と同じく慢性感染症ですが、壊死の性質が異なります。結核は乾酪壊死、Hansen病は壊死を伴わないか、液化壊死を起こしても乾酪性ではありません。
- 4. カンジダ症は真菌感染症ですが、主に表在性や深在性の感染を起こし、膿瘍形成や炎症反応を伴いますが、乾酪壊死性の肉芽腫形成は一般的ではありません。正しくは:カンジダ症は、膿瘍形成や炎症反応を伴いますが、乾酪壊死を伴う肉芽腫形成は一般的ではありません。選びやすい理由:真菌感染症も炎症や病変を引き起こすため、広義の「病変」と誤解する可能性があります。混同注意:肉芽腫ではなく、主に粘膜・皮膚の炎症や深在性では膿瘍を形成します。
- 5. トキソプラズマ症は原虫感染症であり、脳炎や網膜脈絡膜炎などを引き起こし、肉芽腫を形成することもありますが、乾酪壊死性の肉芽腫は特徴的ではありません。むしろ壊死性病変を伴う場合は、凝固壊死や液化壊死の形態をとることが多いです。正しくは:トキソプラズマ症は、乾酪壊死性肉芽腫ではなく、凝固壊死や液化壊死を伴うことがあります。選びやすい理由:寄生虫感染症でも慢性炎症を起こすため、肉芽腫形成との関連を連想しやすいかもしれませんが、乾酪壊死は伴いません。混同注意:他の感染症と同様に慢性炎症を起こしますが、壊死のタイプが異なります。
国試ポイント
この問題は、主要な感染症の病理学的特徴、特に肉芽腫性炎症のタイプと、それに伴う壊死の種類(乾酪壊死)を正確に理解しているかを問うものです。結核の乾酪壊死性肉芽腫は非常に重要な鑑別点となります。
混同注意
他の慢性炎症性疾患や感染症も肉芽腫を形成することがありますが、その壊死の様式(乾酪壊死、膿瘍、壊死なしなど)が異なります。特にサルコイドーシスなど非乾酪性肉芽腫と混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、主要な感染症や炎症性疾患の病理組織学的特徴(特に壊死のタイプ、炎症細胞の種類、肉芽腫の有無や形態)を問う問題が予想されます。
関連知識
サルコイドーシス(非乾酪性肉芽腫)、クローン病(非乾酪性肉芽腫)、梅毒(ゴム腫)、異物肉芽腫、放線菌症(硫黄顆粒を伴う膿瘍形成)など、他の肉芽腫性疾患の病理学的特徴も合わせて理解しておくことが重要です。