イムノクロマト法による抗原検査が行われないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
イムノクロマトグラフィー法は、検体中の抗原を迅速かつ簡便に検出できる免疫学的検査法です。RSウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、SARS-CoV-2は、いずれも迅速診断が求められる感染症であり、イムノクロマトグラフィー法による抗原検査が広く実用化されています。一方、EBウイルス感染症の診断は、主に抗体検査や核酸増幅法(PCR)が中心であり、イムノクロマトグラフィー法による抗原検査は一般的に行われません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。EBウイルス感染症の診断は、主に血清中の特異的抗体(VCA-IgM、VCA-IgG、EBNA抗体など)の検出や、核酸増幅法(PCR)によって行われます。イムノクロマトグラフィー法を用いた抗原検査は、EBウイルス診断において一般的な方法ではありません。
- 2. RSウイルス感染症の迅速診断には、鼻腔吸引液や鼻腔ぬぐい液を用いたイムノクロマトグラフィー法による抗原検査が広く実施されています。正しくは:RSウイルス感染症の迅速診断には、イムノクロマトグラフィー法による抗原検査が広く用いられています。選びやすい理由:呼吸器系のウイルス感染症の迅速診断法として一般的であるため、誤って正しいと判断する可能性は低いでしょう。混同注意:他の呼吸器系ウイルスにおける迅速抗原検査の対象範囲との混同があるかもしれません。
- 3. ロタウイルスによる胃腸炎の診断には、便検体を用いたイムノクロマトグラフィー法による抗原検査が、迅速診断ツールとして広く利用されています。正しくは:ロタウイルス感染症の診断には、イムノクロマトグラフィー法による抗原検査が広く利用されています。選びやすい理由:乳幼児のウイルス性胃腸炎の原因として知られているため、一般的な迅速診断法であると理解しているはずです。混同注意:他の腸管系ウイルス感染症の検査法との混同があるかもしれません。
- 4. インフルエンザウイルスの迅速診断には、鼻腔ぬぐい液や咽頭ぬぐい液などを用いたイムノクロマトグラフィー法による抗原検査が、医療機関で標準的に実施されています。正しくは:インフルエンザウイルスの迅速診断には、イムノクロマトグラフィー法による抗原検査が標準的に実施されています。選びやすい理由:インフルエンザの迅速検査は非常に広く知られているため、誤って正しいと判断する可能性は低いでしょう。混同注意:他の呼吸器系ウイルスとの検査法における感度や特異度の違いを混同する可能性はあります。
- 5. SARS-CoV-2の診断には、鼻腔ぬぐい液や唾液などを用いたイムノクロマトグラフィー法による抗原定性検査キットが、迅速なスクリーニング検査として広く普及し、活用されています。正しくは:SARS-CoV-2の診断には、イムノクロマトグラフィー法による抗原検査が広く活用されています。選びやすい理由:近年のパンデミックにより、SARS-CoV-2の迅速抗原検査は一般にも広く認知されているため、誤って正しいと判断する可能性は低いでしょう。混同注意:PCR法などの核酸検査との使い分けや、検出感度の違いを混同する可能性はあります。
国試ポイント
本問題は、感染症の診断法に関する知識、特にイムノクロマトグラフィー法(迅速抗原検査)がどのような感染症に適用され、どのような感染症には適用されないかを問うものです。各ウイルスの主要な診断方法と、迅速診断法の有無や種類を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
イムノクロマトグラフィー法による「抗原検査」と、同じ原理を用いた「抗体検査」の区別。また、迅速抗原検査と、より高感度・高特異度とされる核酸増幅法(PCR法など)との使い分けに関する知識が混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題された場合、受験者は以下の点に注目すべきです。(1) 各ウイルスの『主要な診断法』が何か。(2) 『迅速診断法』が存在する場合、それが抗原検査、抗体検査、あるいは核酸検査のいずれか。(3) イムノクロマトグラフィー法が適用される感染症と、適用されない感染症の明確な区別。
関連知識
イムノクロマトグラフィー法の原理(毛細管現象と抗原抗体反応の利用)、その利点(迅速性、簡便性、非侵襲性)と欠点(感度や特異度の限界)。各ウイルスの感染経路、主な臨床症状、および標準的な診断プロトコル。特に、EBウイルスが関連する伝染性単核球症の診断における異型リンパ球の出現や血中抗体価の推移。