体プレチスモグラフによる機能的残気量の測定原理はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
体プレチスモグラフによる機能的残気量(FRC)の測定は、密閉された空間(箱)と被験者の肺内との間で起こる圧力と体積の変化を、温度が一定であるという仮定のもとでBoyle-Charlesの法則(P1V1=P2V2)を適用して行われます。被験者が息を吸い込んだり吐き出したりする際に、箱内の圧力と体積の変化、および肺内の圧力変化を同時に測定し、FRCを算出します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。体プレチスモグラフ法は、密閉された箱の中で被験者が呼吸することで、箱内の気圧と体積の変化、および被験者の肺内ガス量と圧の変化をBoyle-Charlesの法則(PV=一定、またはP1V1=P2V2)に基づいて測定し、肺内のガス量(特に機能的残気量)を算出します。肺内のガスは体温によって一定の温度に保たれていると仮定されます。
- 2. Daltonの法則は、混合気体における各成分ガスの分圧に関する法則であり、体プレチスモグラフによる機能的残気量測定の原理とは直接関係ありません。正しくは:混合気体の全圧は、各成分ガスの分圧の和に等しいという法則です。選びやすい理由:呼吸生理学でガス交換や分圧計算に用いられるため、呼吸機能に関連する法則として誤って選択される可能性があります。混同注意:呼吸に関わるガス法則として、Daltonの法則やHenryの法則と混同されることがあります。
- 3. Fickの法則は、物質の拡散速度に関する法則であり、特にガス交換における酸素や二酸化炭素の移動速度の決定要因(膜の厚さ、表面積、分圧差、拡散係数)を説明しますが、機能的残気量の測定原理ではありません。正しくは:物質の拡散速度は、拡散面積に比例し、膜の厚さに反比例し、濃度勾配(分圧差)に比例するという法則です。選びやすい理由:肺でのガス交換の効率を評価する際に用いられるため、呼吸機能検査全般と誤解されることがあります。混同注意:ガス交換に関する他の法則や肺活量測定とは直接関係ありません。
- 4. Henryの法則は、気体が液体に溶解する量に関する法則であり、体プレチスモグラフによる機能的残気量測定の原理とは異なります。正しくは:気体が一定温度の液体に溶ける量は、その気体の分圧に比例するという法則です。選びやすい理由:血液中のガスの溶解や輸送に関連するため、呼吸生理学の範囲内で誤って選択されることがあります。混同注意:血液ガス分析や酸素飽和度測定の原理の一部と混同されることがあります。
- 5. Lambert-Beerの法則は、光の吸光度に関する法則であり、比色分析や分光光度計の原理として用いられますが、呼吸機能検査とは全く関係ありません。正しくは:溶液が光を吸収する量は、その溶液中の吸光物質の濃度と光路長に比例するという法則です。選びやすい理由:臨床検査の他の分野(生化学検査など)で広く使われるため、選択肢として見慣れていることから選んでしまう可能性があります。混同注意:物理学の法則ではあるが、生体内のガス量の測定とは関連性がありません。
国試ポイント
体プレチスモグラフ法は、ヘリウム希釈法や窒素洗い出し法では測定できない、閉塞性肺疾患などで肺内にトラップされたガス(非交通性ガス)も含めた全肺気量を測定できる点が特徴です。各測定原理とその適用範囲を正確に理解しているかが問われます。
混同注意
ヘリウム希釈法(これは機能的残気量を測定するが、Boyle-Charlesの法則ではなく希釈の原理を用いる)、窒素洗い出し法、あるいは他の呼吸に関する法則(Daltonの法則、Henryの法則、Fickの法則)と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、Boyle-Charlesの法則が体プレチスモグラフに適用されることを確実に覚え、他のガス法則がそれぞれどのような測定や現象に適用されるかを理解しているかを確認しましょう。特に、ヘリウム希釈法や窒素洗い出し法との違い(特に非交通性ガスの測定可否)も重要です。
関連知識
肺気量の分類(肺活量、残気量、全肺気量など)、各肺気量の測定方法(スパイロメトリー、ヘリウム希釈法、窒素洗い出し法、体プレチスモグラフ法)、それぞれの測定原理と特徴、そしてどのような疾患で特定の肺気量が変化するか。