細胞診検体のGiemsa染色で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ギムザ染色はロマノフスキー系染色の一つで、酸性色素(エオジン)と塩基性色素(メチレンブルーとその酸化産物アズール)が複合体を形成し、細胞質内の好酸性・好塩基性顆粒を色鮮やかに染め分けます。この特性により、好中球、好酸球、好塩基球、肥満細胞などの細胞質内顆粒の観察に非常に優れています。
選択肢ごとの解説
- 1. ギムザ染色では、細胞核は一般的に青色から紫色に染まりますが、異染性を示すわけではありません。異染性は、特定の物質(例:肥満細胞顆粒、軟骨基質)が塩基性色素と反応して、本来の色とは異なる色に染まる現象を指します。正しくは:核は青色から紫色に染まる。選びやすい理由:核が染まるため、何らかの特殊な染色性を示すのかと誤解するかもしれない。混同注意:異染性を示す他の染色法(例:トルイジンブルー染色)や、異染性を示す特定の細胞成分(例:肥満細胞顆粒)と混同する可能性があります。
- 2. ギムザ染色では、角化した細胞質は淡い青色や灰色に染まるため、パパニコロウ染色と比較して角化の程度を明瞭に評価することは困難です。角化の観察には、パパニコロウ染色がより適しています。正しくは:細胞質の角化の観察には不向きである。選びやすい理由:細胞質が染まるので、角化も観察できると考えるかもしれない。混同注意:パパニコロウ染色における角化細胞のオレンジ好性(オレンジGによる染色性)と混同する可能性があります。
- 3. 正解。ギムザ染色は、ロマノフスキー系染色の一種であり、細胞質内の好塩基性顆粒や好酸性顆粒などを鮮やかに染め分け、その形態や存在を観察するのに非常に優れています。特に血液細胞やリンパ系細胞、肥満細胞などの顆粒の検出に適しています。
- 4. ギムザ染色で用いられる空気乾燥法では、細胞が小さくなるというよりも、細胞の扁平化や拡大、核の腫大などが生じ、詳細な細胞構造が不明瞭になることがあります。一般的な乾燥による収縮は細胞診におけるギムザ染色で主に問題となる特徴ではありません。正しくは:乾燥により細胞が扁平化し、核が腫大して見えることがある。選びやすい理由:乾燥が細胞に影響を与えるのは事実なので、何らかの変化が起こると考えるかもしれない。混同注意:固定不良による細胞の変性や収縮と混同する可能性、または組織病理学における脱水過程での組織収縮と混同する可能性があります。
- 5. ギムザ染色でも核は染まりますが、微細なクロマチン構造の詳細な観察にはパパニコロウ染色が優れています。ギムザ染色ではクロマチンは顆粒状や凝集して見えやすく、細胞の悪性度診断に重要な微細な構造変化の評価には限界があります。正しくは:クロマチン構造の観察にはパパニコロウ染色が優れている。選びやすい理由:核が青紫色に染まるので、クロマチン構造も鮮明に観察できると考えるかもしれない。混同注意:核全体が染まることと、核内の微細構造(クロマチンパターン)が詳細に観察できることとを混同する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、細胞診における主要な染色法であるギムザ染色の特徴と、他の染色法(特にパパニコロウ染色)との違いを理解しているかを問うものです。各染色法の長所・短所、適応、観察できる主要な構造について正確な知識が求められます。
混同注意
ギムザ染色の特性は、パパニコロウ染色(核の微細構造、角化の観察)や、特定の細胞成分が示す異染性(肥満細胞顆粒、軟骨基質など)と混同されやすいです。また、乾燥による標本作成時のアーチファクトも、ギムザ染色とパパニコロウ染色で異なるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた場合、以下の点を確認してください。1. 各染色法(ギムザ、パパニコロウ、特殊染色など)の主な用途と適応。2. それぞれの染色法で特に観察しやすい細胞構造や病変。3. 染色法に関連する代表的な固定方法とその特徴(湿固定、空気乾燥)。4. 各染色法で生じる主なアーチファクト。
関連知識
パパニコロウ染色: 核の微細構造、クロマチンパターン、細胞の透明性、角化の評価に優れる。湿固定が原則。ロマノフスキー染色(メイ・グリュンワルド・ギムザ染色、ライト染色など):血液細胞、リンパ系細胞、寄生虫、微生物の形態観察に適し、細胞質顆粒の分染に優れる。通常、空気乾燥後のメタノール固定。