解糖系の律速酵素はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
解糖系の律速酵素は主に3つあります。まず、グルコースが解糖系に入る最初の段階を制御するヘキソキナーゼ(肝臓ではグルコキナーゼ)。次に、フルクトース-6-リン酸からフルクトース-1,6-ビスリン酸への変換を触媒するホスホフルクトキナーゼ-1 (PFK-1)。そして、最終段階でホスホエノールピルビン酸からピルビン酸への変換を触媒するピルビン酸キナーゼです。選択肢の中でこれらのいずれかに該当するのはヘキソキナーゼです。
選択肢ごとの解説
- 1. エノラーゼは解糖系の中間反応に関与しますが、律速酵素ではありません。2-ホスホグリセリン酸からホスホエノールピルビン酸への変換を触媒します。正しくは:解糖系の律速酵素はヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ-1、ピルビン酸キナーゼです。選びやすい理由:解糖系の酵素であるため、知識が曖昧だと選んでしまう可能性があります。混同注意:他の解糖系酵素と混同しやすいです。
- 2. アルドラーゼは解糖系の重要な酵素の一つですが、律速段階を制御する酵素ではありません。フルクトース-1,6-ビスリン酸をジヒドロキシアセトンリン酸とグリセルアルデヒド-3-リン酸に分解する役割を持ちます。正しくは:解糖系の律速酵素はヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ-1、ピルビン酸キナーゼです。選びやすい理由:解糖系の酵素であるため、律速酵素に関する知識が不確かな場合に誤って選ばれることがあります。混同注意:他の解糖系酵素、特に分解反応に関わる酵素と混同しやすいです。
- 3. イソメラーゼは、糖の異性体変換に関わる酵素の一般的な名称であり、解糖系にはホスホグルコースイソメラーゼなどが存在しますが、律速酵素ではありません。正しくは:解糖系の律速酵素はヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ-1、ピルビン酸キナーゼです。選びやすい理由:酵素の分類名であり、解糖系でイソメラーゼ反応があることから、知識が曖昧だと誤って選択肢として有力視される可能性があります。混同注意:特定の解糖系酵素ではなく、酵素の種類を示す名称であるため、具体的な律速酵素と混同しやすいです。
- 4. 正解。ヘキソキナーゼは、解糖系の最初の段階でグルコースをリン酸化してグルコース-6-リン酸にする反応を触媒する酵素です。この反応は不可逆であり、解糖系への流入を制御する律速段階の一つです。特に肝臓ではグルコキナーゼが同様の役割を担い、血糖調節に重要です。
- 5. ホスホグリセリン酸キナーゼは解糖系で1,3-ビスホスホグリセリン酸から3-ホスホグリセリン酸への反応を触媒してATPを生成しますが、律速酵素ではありません。正しくは:解糖系の律速酵素はヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ-1、ピルビン酸キナーゼです。選びやすい理由:「キナーゼ」という名称から、エネルギー代謝の重要な酵素であると連想されやすいため、律速酵素であると誤解される可能性があります。混同注意:解糖系に関与する他のキナーゼ(特に律速酵素であるホスホフルクトキナーゼ-1やピルビン酸キナーゼ)と混同しやすいです。
国試ポイント
解糖系の全体像と、特にどの酵素が代謝経路の速度を決定づける「律速段階」に関与するかを理解しているかが問われています。律速酵素は不可逆反応を触媒し、アロステリック制御などを受けることで代謝経路全体の流れを調節します。
混同注意
解糖系には多くの酵素が存在するため、律速酵素ではない他の酵素と混同しやすいです。特に、「キナーゼ」という名前の酵素が複数あるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、ヘキソキナーゼだけでなく、ホスホフルクトキナーゼ-1やピルビン酸キナーゼが選択肢に含まれていないか、またそれらの調節機構についても注意して確認する必要があります。さらに、糖新生の律速酵素との対比も重要です。
関連知識
解糖系の律速酵素は、インスリンやグルカゴンといったホルモンによって活性が調節されます。また、ATPやADP、クエン酸などの代謝産物によってもアロステリック制御を受けます。肝臓におけるグルコキナーゼの特異性や、解糖系と糖新生の相互関係も重要です。