遺伝子検査法とその目的の組合せで誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ノザンブロット法は、細胞内のメッセンジャーRNA(mRNA)などのRNA分子を検出し、その量やサイズを分析するための分子生物学的手法です。DNA断片の解析には主にサザンブロット法が用いられます。したがって、ノザンブロット法とDNA断片の解析の組み合わせは誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ノザンブロット法はRNAの検出・解析に用いられる手法であり、DNA断片の解析にはサザンブロット法が用いられるため、この組合せは誤りです。正しくは:ノザンブロット法RNAの解析選びやすい理由:「ブロット法」という名前から漠然と核酸の解析であることはわかるため、具体的な対象核酸を混同しやすい。混同注意:サザンブロット法(DNA断片の解析)
- 2. FISH法(蛍光in situハイブリダイゼーション法)は、特定のDNA配列に結合する蛍光標識プローブを用いて、染色体上の遺伝子欠失、重複、転座などを細胞学的に可視化する手法であり、欠失解析に用いられます。したがって、この組合せは正しいです。選びやすい理由:FISH法は遺伝子変異全般を解析するイメージがあり、限定的な「欠失解析」という表現に違和感を感じる可能性がある。混同注意:Gバンド法(染色体全体の形態異常解析)
- 3. DNAマイクロアレイ法は、多数の遺伝子の発現量やDNAのコピー数変化を一度に網羅的に解析する技術です。したがって、この組合せは正しいです。選びやすい理由:「網羅的」という言葉が広範囲すぎて、具体的に何を指しているのか不明瞭に感じることがある。混同注意:次世代シークエンサー(より詳細な網羅的解析)
- 4. シークエンス解析法(DNAシーケンシング)は、DNAの塩基配列を直接決定する手法であり、これにより遺伝子の点変異、挿入、欠失などの変異を詳細に解析できます。したがって、この組合せは正しいです。選びやすい理由:「変異解析」という表現が広範であるため、どの程度の変異を解析できるのか疑問に感じる可能性がある。混同注意:PCR法(遺伝子の一部を増幅する技術で、直接変異を解析するわけではない)
- 5. マイクロサテライトDNA解析法は、マイクロサテライト(短い繰り返し配列)の繰り返し回数の個人差を利用して、ドナーとレシピエントの血液細胞が混在している状態(キメリズム)を判別するのに用いられます。したがって、この組合せは正しいです。選びやすい理由:「キメリズム」という専門用語が馴染みがなく、他の遺伝子解析法との関連性が分かりにくいと感じる可能性がある。混同注意:SNP解析(一塩基多型解析)
国試ポイント
各遺伝子検査法の原理と、どのような目的(DNA、RNA、タンパク質、欠失、変異、網羅的解析など)で用いられるかを正確に理解すること。
混同注意
サザンブロット法とノザンブロット法の対象核酸(DNAとRNA)を混同しやすい。ウエスタンブロット法はタンパク質解析であり、これら3つのブロット法を区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
遺伝子検査法の名称と、それがDNA、RNA、タンパク質のいずれを対象とし、具体的にどのような現象(欠失、変異、発現、量など)を解析する目的であるかを確認する。
関連知識
サザンブロット法(Southern blot):DNAの検出・解析。ノザンブロット法(Northern blot):RNAの検出・解析。ウエスタンブロット法(Western blot):タンパク質の検出・解析。これらのブロット法は、電気泳動で分離後、膜に転写し、プローブを用いて特定の分子を検出する点で共通しています。