HEp-2細胞を核材に用いた間接蛍光抗体法による抗核抗体の染色パターン(別冊No. 15)を別に示す。最も考えられるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
画像はHEp-2細胞を用いた間接蛍光抗体法による抗核抗体の染色パターンで、核全体が均一に染色され、核小体が強く染色されているように見えるが、中期分裂像の染色体が強く染色されていないことから、これは斑紋型を示している。斑紋型は抗RNP抗体や抗SS-A/Ro抗体などで見られる。
選択肢ごとの解説
- 1. 抗Jo-1抗体は、細胞質全体を顆粒状に染色する「細胞質型」を示すことが多い。本画像は核の染色パターンであるため誤り。正しくは:抗Jo-1抗体は細胞質型を呈する。選びやすい理由:自己免疫疾患に関連する抗体であるため、選択肢として考慮されやすいが、染色パターンが異なる。混同注意:他の抗核抗体と染色パターンが混同される。
- 2. 正解。画像の染色パターンは核全体に粗い斑紋状の染色が見られ、分裂中期細胞の染色体には染色が認められない(もしくは弱い)ことから、斑紋型に分類される。抗RNP抗体は代表的な斑紋型抗体であり、全身性エリテマトーデスや混合性結合組織病で見られる。選びやすい理由:斑紋型は抗RNP抗体と関連が深いと知っている場合、選択しやすい。混同注意:他の斑紋型を呈する抗体(抗Sm抗体、抗SS-A/Ro抗体など)や、均一型と区別がつきにくい場合がある。
- 3. 抗dsDNA抗体は、核全体が均一に染色される「均一型」を呈し、分裂中期細胞の染色体も強く染色されるのが特徴である。本画像の染色パターンとは異なるため誤り。正しくは:抗dsDNA抗体は均一型を呈する。選びやすい理由:最も有名な抗核抗体の一つであり、SLEの特異抗体であるため、選びやすい。混同注意:斑紋型と均一型の区別が曖昧な場合に混同しやすい。
- 4. 抗セントロメア抗体は、核内に多数の顆粒状(点状)の染色が見られ、分裂中期細胞の染色体ではセントロメア部分が点状に強く染色される「セントロメア型」を呈する。本画像のパターンとは明らかに異なるため誤り。正しくは:抗セントロメア抗体はセントロメア型を呈する。選びやすい理由:これも特徴的なパターンを示す抗体であり、選択肢として見ると目を引くが、画像とは一致しない。混同注意:他の顆粒状に見える斑紋型や、核小体型と混同される可能性がある。
- 5. 抗ミトコンドリア抗体は、細胞質に粗大顆粒状の染色パターンを示す「細胞質型(ミトコンドリア型)」を呈する。核の染色を示す本画像とは完全に異なるため誤り。正しくは:抗ミトコンドリア抗体は細胞質型(ミトコンドリア型)を呈する。選びやすい理由:自己免疫性肝疾患である原発性胆汁性胆管炎(PBC)の診断に用いられる抗体として有名だが、抗核抗体とは異なるパターンを示す。混同注意:抗核抗体以外の自己抗体と混同される。
国試ポイント
抗核抗体の主要な染色パターンとそれに対応する代表的な抗体の種類を覚えること。
混同注意
均一型(抗dsDNA抗体、抗ヒストン抗体)と斑紋型(抗RNP抗体、抗Sm抗体、抗SS-A/Ro抗体)は混同しやすい。核小体型(抗RNAポリメラーゼIII抗体、抗U3-RNP抗体)やセントロメア型(抗セントロメア抗体)も区別が必要である。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題では、まずHEp-2細胞の細胞分裂像(特に中期分裂像の染色体)の染色パターンに注目し、核小体の有無や染色体の染色強度を確認することで、均一型、斑紋型、核小体型、セントロメア型などのパターンを正確に判別する。
関連知識
抗核抗体は、全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病の診断に重要な自己抗体である。染色パターンだけでなく、それぞれの抗体が関連する疾患や臨床的意義も併せて理解することが重要。