血清補体価(CH50)の測定で用いられる反応はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
血清補体価(CH50)は、古典経路の補体活性を総合的に評価する指標であり、感作ヒツジ赤血球を50%溶血させるのに必要な補体の能力を測定します。この『溶血』は、補体活性化の最終段階である膜攻撃複合体(MAC)による細胞膜の破壊、すなわち細胞の溶解反応によって引き起こされます。
選択肢ごとの解説
- 1. 中和反応は、抗原と抗体が結合してその生物活性(例えばウイルスの感染性や毒素の毒性)を不活化する反応であり、補体価測定には直接用いられません。正しくは:中和反応はウイルスの感染性や毒素の活性を不活化する際に利用されます。選びやすい理由:抗体に関する免疫反応の一つとして知られているため、誤って選択肢として選ばれる可能性があります。混同注意:補体結合反応と混同されることがありますが、補体結合反応は抗原抗体複合体に補体が結合することを利用するもので、中和とは異なります。
- 2. 沈降反応は、可溶性抗原と抗体が結合して不溶性の複合体を形成し沈殿する反応で、補体価測定とは直接関係ありません。正しくは:沈降反応は可溶性抗原と抗体による不溶性複合体の形成を検出する際に利用されます。選びやすい理由:免疫反応の基本的な検出法の一つであるため、関連があるように思えるかもしれません。混同注意:凝集反応と似ていますが、沈降反応は可溶性抗原、凝集反応は不溶性粒子(細胞など)を対象とします。
- 3. 正解。血清補体価(CH50)は、感作ヒツジ赤血球を50%溶血させるために必要な血清希釈度を測定するもので、この『溶血』が溶解反応の一種です。補体が活性化して膜攻撃複合体(MAC)を形成し、細胞膜を破壊することで赤血球が溶解します。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:直接的な用語ではないかもしれませんが、補体による溶血は補体機能の主要な指標の一つです。混同注意:他の免疫反応と異なり、補体特有の反応メカニズムを理解しているかが問われます。
- 4. 赤血球凝集抑制反応は、ウイルスや特定の抗体が赤血球の凝集を阻害する現象を利用するもので、補体価測定の原理とは異なります。正しくは:赤血球凝集抑制反応は、ウイルス感染症の診断や抗体価の測定に利用されます。選びやすい理由:赤血球を使用する免疫学的な検査であるため、CH50測定と混同しやすい可能性があります。混同注意:CH50も赤血球を用いるが、目的とする反応は凝集ではなく溶解である点で異なります。
- 5. ラテックス凝集反応は、抗原または抗体を感作させたラテックス粒子を用いて、抗原抗体反応による凝集を肉眼的に検出する方法で、補体価測定とは別の原理に基づいています。正しくは:ラテックス凝集反応は、特定の抗原や抗体の有無を迅速に検出する際に利用されます。選びやすい理由:凝集反応は広く免疫検査で用いられるため、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:CH50の原理である溶血とは全く異なる反応です。ラテックス凝集は抗原抗体反応を凝集という形で可視化するものです。
国試ポイント
補体価測定の原理と、それがどのような反応に基づいているかを正確に理解しているかが問われます。特に、補体の主要な機能の一つである溶血反応と、他の免疫学的反応との区別が重要です。
混同注意
CH50測定で赤血球を用いるため、赤血球凝集反応や赤血球凝集抑制反応と混同しやすいですが、CH50は赤血球の『溶解(溶血)』を指標としている点が決定的に異なります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、補体価測定の対象(古典経路、副経路など)、指標(溶血、凝集など)、測定に用いる細胞(感作ヒツジ赤血球など)が問われる可能性があります。
関連知識
補体経路(古典経路、副経路、レクチン経路)、膜攻撃複合体(MAC)の形成、補体成分の機能(オプソニン化、アナフィラトキシン、走化性、ウイルス中和など)。