肝臓の解毒機能の評価に用いられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
ICG試験は肝臓の薬物代謝・排泄能を、血中アンモニアは肝臓のアンモニア代謝(尿素合成)能を直接評価するため、これらが肝臓の解毒機能の評価に用いられる主要な指標です。他の選択肢は、肝細胞障害や蛋白合成能の指標です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肝細胞に取り込まれて胆汁中に排泄される色素であるインドシアニングリーン (ICG) の血中からの消失率を測定することで、肝臓の薬物代謝能力や血流、ひいては解毒機能を総合的に評価する指標として利用されます。
- 2. ALTは主に肝細胞内に存在する酵素であり、肝細胞が障害を受けると血中に逸脱するため、肝細胞の傷害マーカーとして用いられます。解毒機能そのものを直接評価するものではありません。正しくは:ALTは肝細胞障害マーカーです。選びやすい理由:肝臓の検査項目であるため、肝機能全般と混同して選びやすいです。混同注意:肝機能検査(肝臓全体の機能を見る検査)と肝解毒機能検査を混同しやすいです。
- 3. 正解。肝臓はアンモニアを尿素に変換する尿素回路の中心的な役割を担っており、アンモニアの解毒を行っています。肝機能が低下するとアンモニアの解毒能力が損なわれ、血中アンモニア濃度が上昇するため、肝臓の解毒機能不全の指標となります。
- 4. プロトロンビン時間は、肝臓で合成される凝固因子(特にプロトロンビン複合体)の産生能力を反映する指標であり、肝臓の蛋白合成能を評価するために用いられます。解毒機能とは直接関連しません。正しくは:プロトロンビン時間は肝臓の蛋白合成能マーカーです。選びやすい理由:肝機能の重症度を評価する項目として有名であり、間接的に肝臓の機能不全を示すため、解毒機能と関連すると誤解しやすいです。混同注意:肝臓の様々な機能(合成能、代謝能、排泄能、解毒能など)の区別が曖昧な場合、選びやすいです。
- 5. 血清コリンエステラーゼは肝臓で合成される酵素であり、肝細胞の合成能力を反映する指標として、特に慢性肝疾患における肝機能低下の評価に用いられます。解毒機能とは直接関係がありません。正しくは:血清コリンエステラーゼは肝臓の蛋白合成能マーカーです。選びやすい理由:肝臓の合成機能を示す項目であり、肝機能低下の指標として用いられるため、解毒機能と関連すると誤解しやすいです。混同注意:プロトロンビン時間と同様に、肝臓の合成能と解毒能を混同しやすいです。
国試ポイント
肝臓の各機能(合成能、解毒能、排泄能、細胞障害など)と、それらを評価する検査項目との対応関係を正確に理解しているかを問う問題です。特に、解毒機能に特化した検査項目を他の一般的な肝機能検査項目と区別して識別できるかがポイントとなります。
混同注意
肝臓の機能は多岐にわたるため、「肝細胞障害」「合成能」「解毒能」「排泄能」といった各機能と、それぞれの機能に対応する検査項目とが混同されやすいです。特に、肝機能の全体像を示す項目(例: ALT, AST, γ-GTP, ALP)と、特定の機能(例: 解毒能としてのICG、アンモニア;合成能としてのPT, ChE)を評価する項目との区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合は、各検査項目が肝臓の「どの機能」(例:解毒、合成、細胞障害、排泄)を主に評価しているのかを再確認する視点が必要です。特に「解毒機能」に特化した項目(ICG、アンモニア)と「合成能」(PT、ChE、アルブミン)や「細胞障害」(ALT、AST)の項目との明確な区別を意識しましょう。
関連知識
肝臓の主な機能には、代謝(糖、脂質、タンパク質)、解毒、胆汁生成・排泄、凝固因子やアルブミンの合成、貯蔵(グリコーゲン、ビタミン)などがあります。肝機能検査は、主に肝細胞障害マーカー(ALT, AST)、肝合成能マーカー(アルブミン, プロトロンビン時間, コリンエステラーゼ)、肝解毒・排泄能マーカー(ICG試験, 血中アンモニア, 総ビリルビン)に分類されます。