RhD陰性の妊産婦への抗D免疫グロブリンの投与時期として正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
RhD陰性の母親がRhD陽性の胎児を妊娠し、分娩に至った場合、分娩時に胎児の赤血球が母体循環に流入するリスクが非常に高まります。この流入した胎児赤血球に対する母体の免疫応答(RhD抗体産生)を防ぐために、抗D免疫グロブリンを投与します。免疫グロブリンは流入した胎児赤血球を速やかに除去することで、母体の感作を防ぐ役割を果たします。この効果を最大限に発揮するためには、胎児赤血球の流入が起こってから速やかに、具体的には分娩後72時間以内に投与することが推奨されています。これにより、次回の妊娠でRhD不適合による胎児溶血性疾患が発生するリスクを大幅に低減できます。日本ではこの分娩後投与が最も重視されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 妊娠初期のみの投与では、後期に起こりうる感作を防ぎきれません。また、日本では通常、分娩後が主な投与時期とされています。正しくは:予防的投与は妊娠28週頃に行われることがありますが、分娩後の投与が最も重要です。選びやすい理由:RhD不適合妊娠のリスクは妊娠初期から存在するため、早期投与が必要だと考えてしまうかもしれません。混同注意:妊娠中の定期的な抗体スクリーニングのタイミングと混同しやすいです。
- 2. 妊娠16週では、RhD感作のリスクはまだ低いとされており、予防的投与の主要なタイミングではありません。正しくは:予防的投与は妊娠28週頃に行われることがあります。選びやすい理由:羊水検査など侵襲的な処置が行われる時期と近く、処置後の予防的投与と混同する可能性があります。混同注意:初期のスクリーニング検査の時期と混同しやすいです。
- 3. この時期に定期的な予防的投与を行うことは一般的ではありません。予防的投与は通常、妊娠28週頃に行われます。正しくは:予防的投与を行う場合は妊娠28週頃が一般的です。選びやすい理由:妊娠中期に入り、胎児の成長が進む時期であるため、この時期の介入が必要だと誤解する可能性があります。混同注意:妊娠後期のスクリーニング検査の時期と混同しやすいです。
- 4. 妊娠32週では、分娩までの時間が短く、もし予防的投与を行う場合は妊娠28週頃が推奨されます。分娩後の投与がRhD陰性母体の感作予防には最も重要です。正しくは:予防的投与を行う場合は妊娠28週頃が一般的です。最も重要なのは分娩後の投与です。選びやすい理由:分娩に近い時期であるため、このタイミングが適切だと誤解する可能性があります。混同注意:分娩間近の最終確認検査の時期と混同しやすいです。
- 5. 正解。RhD陰性の母親がRhD陽性の赤ちゃんを分娩した場合、分娩時に胎児の赤血球が母体循環に流入し、母親がRhD抗体を産生するリスクが最も高まります。この流入を防ぎ、母親の感作を予防するためには、分娩後72時間以内の抗D免疫グロブリン投与が極めて重要です。選びやすい理由:分娩後という明確なタイミングであり、迷いにくいですが、なぜ72時間以内なのかを理解していることが重要です。混同注意:帝王切開や流産後の投与タイミングと混同することはありませんが、予防的投与のタイミング(妊娠28週頃)との使い分けを理解する必要があります。
国試ポイント
RhD不適合妊娠における抗D免疫グロブリンの投与タイミング(特に分娩後)に関する基本的な知識が問われています。予防的投与のタイミング(妊娠28週頃)と分娩後の投与の重要性を区別して理解しているかがポイントです。
混同注意
抗D免疫グロブリンの予防的投与(妊娠28週頃)と、分娩後の緊急的な投与のタイミングが混同しやすいです。また、侵襲的処置(羊水検査など)後の投与も考慮する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、RhD陰性妊婦への抗D免疫グロブリンの投与について、①分娩後の投与タイミング(72時間以内)と理由、②妊娠中の予防的投与タイミング(妊娠28週頃)と理由、③侵襲的処置(羊水検査、絨毛検査など)後の投与について、これらの区別と各タイミングの根拠を正確に把握できているかを確認します。
関連知識
RhD不適合妊娠のメカニズム、抗D免疫グロブリンの作用機序、胎児溶血性疾患(HDN)の病態生理、間接クームス試験による抗D抗体のスクリーニング、ロゼットテストやクレライハワー・ベトケ試験による胎児赤血球の母体循環への流入量の測定。