血栓性血小板減少性紫斑病で認められるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は、フォン・ヴィルブランド因子切断酵素(ADAMTS13)の著しい活性低下によって特徴づけられます(選択肢3)。この活性低下により、通常分解されるべき超高分子量フォン・ヴィルブランド因子(VWF)マルチマーが血中に蓄積し、微小血管内で血小板血栓を形成します(選択肢4)。これにより、微小血管障害性溶血性貧血と血小板減少をきたします。網赤血球は溶血に伴い増加し(選択肢1は誤り)、ハプトグロビンは溶血により消費され低値となります(選択肢2は誤り)。ループスアンチコアグラントは抗リン脂質抗体症候群のマーカーであり、TTPの特異的な所見ではありません(選択肢5は誤り)。
選択肢ごとの解説
- 1. TTPでは溶血性貧血を伴うため、骨髄での代償性反応として網赤血球は増加します。正しくは:網赤血球は増加する選びやすい理由:貧血を伴うため、全体的な赤血球の減少と混同しやすいかもしれません。混同注意:再生不良性貧血など、網赤血球が減少するタイプの貧血
- 2. TTPでは血管内溶血が起こるため、ヘモグロビンが遊離し、それを結合するハプトグロビンは消費され低値となります。正しくは:ハプトグロビンは低値を示す選びやすい理由:炎症反応などで高値を示す検査項目と混同しやすいかもしれません。混同注意:炎症反応を示すCRPなど
- 3. 正解。TTPの主要な病態の一つは、フォン・ヴィルブランド因子切断酵素(ADAMTS13)の活性低下であり、これにより超高分子量VWFマルチマーが分解されずに血中に蓄積します。
- 4. 正解。ADAMTS13活性の低下により、超高分子量フォン・ヴィルブランド因子(VWF)マルチマーが分解されずに血中に残存し、血小板凝集を引き起こします。
- 5. ループスアンチコアグラントは抗リン脂質抗体症候群で認められる所見であり、TTPの診断には通常用いられません。TTPとDICなど他の血栓症との鑑別で検討されることもありますが、TTPの主要な特徴ではありません。正しくは:ループスアンチコアグラントは陰性(または関連性が低い)選びやすい理由:TTPも血栓症の一つであるため、他の血栓性疾患の検査項目と混同しやすいかもしれません。混同注意:抗リン脂質抗体症候群
国試ポイント
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の主要な病態生理と、それに伴う検査所見を正確に理解しているかが問われています。特にADAMTS13の機能と超高分子量VWFマルチマーの関連性はTTP診断の核となる知識です。
混同注意
TTPと溶血性尿毒症症候群(HUS)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、抗リン脂質抗体症候群など、他の血小板減少を伴う疾患や血栓性疾患との鑑別点を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
TTPの症例問題が出た場合、主要な臨床症状(発熱、神経症状、腎機能障害、血小板減少、溶血性貧血)と、ADAMTS13活性、VWFマルチマー、その他の溶血指標(LDH、ハプトグロビン、間接ビリルビン、網赤血球)のデータに注目して判断します。
関連知識
フォン・ヴィルブランド因子(VWF)の構造と機能、ADAMTS13の作用機序、血管内溶血の機序と検査所見(網赤血球、ハプトグロビン、間接ビリルビン、LDHなど)、微小血管障害性溶血性貧血の概念、抗リン脂質抗体症候群の診断基準。