上皿天秤の測定誤差の原因とならないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
上皿天秤の校正は、天秤自体の精度を確認し調整するプロセスであり、使用環境の物理的要因によって直接的に測定誤差が生じるわけではありません。校正が適切であれば、設置場所が異なっても、その天秤本来の測定精度は維持されます。測定誤差の主な要因は、天秤の物理的状態、使用環境、操作方法に起因します。
選択肢ごとの解説
- 1. 天秤が水平でないと、均等な荷重配分ができず、指針が正確な平衡点を示さなくなるため、測定誤差の要因となります。正しくは:天秤は必ず水平器を用いて水平に設置する。選びやすい理由:物理的な直感と一致するため、誤りであるとは考えにくい。混同注意:重心と平衡点の関係性。物理学の基礎知識。
- 2. 錆びついた分銅は質量が変化している可能性があるため、正確な基準質量として機能せず、測定誤差の要因となります。正しくは:使用する分銅は、定期的に校正され、錆や汚れのないものを使用する。選びやすい理由:分銅の質量変化は直接的に測定値に影響するため、明確な誤差要因と認識しやすい。混同注意:分銅の経年劣化や汚染による質量の変化。
- 3. 空調からの風は、天秤の皿や計量対象物に不規則な力を加え、平衡を妨げるため、偶発誤差の要因となります。正しくは:天秤は風の影響を受けない、安定した環境で使用する。風防を用いることも有効である。選びやすい理由:目に見える外乱であり、測定値が変動する様子を想像しやすいため。混同注意:空気抵抗や気流による物理的な力の作用。
- 4. 天秤を設置している台が揺れていると、天秤自体が不安定になり、正確な平衡状態を保つことが困難となるため、偶発誤差の要因となります。正しくは:天秤は振動のない、安定した台の上に設置する。選びやすい理由:振動は測定器に直接影響を与えるため、誤差要因として明確である。混同注意:慣性や物理的な安定性。
- 5. 正解。校正は天秤自体の精度を保証するものであり、異なる場所で校正されていても、天秤自体の測定精度が変化するわけではありません。ただし、測定場所の温度や湿度などの環境要因が大きく異なる場合は、その環境要因が誤差を引き起こす可能性はありますが、校正場所の差異自体が直接的な誤差要因とはなりません。選びやすい理由:測定環境の重要性を強調する文脈で、校正場所の違いも誤差に繋がると誤解しやすいため。特に、温湿度変化が大きい環境では校正条件と使用条件の一致が重要となるため、混同しやすい。混同注意:天秤の「校正」と「使用環境が測定に与える影響」を混同。校正は機器固有の性能に関するものであり、使用環境の変化による誤差(例:温度による物質の膨張収縮)とは異なる。
国試ポイント
天秤を用いた測定における系統誤差および偶発誤差の具体的な要因を理解する。
混同注意
「校正の場所が異なること」と「測定環境の変化による誤差」を混同しやすい。校正は機器そのものの精度に関するものであり、使用場所固有の環境要因による誤差とは区別される。
次に同じ論点が出たら
測定誤差の要因を問う問題では、物理的な外乱、機器の不具合、操作上のミスに注目して判断する。
関連知識
天秤の測定誤差要因には、系統誤差(分銅の誤差、天秤の不均衡、環境温度による膨張収縮)と偶発誤差(風、振動、読み取り誤差)がある。トレーサビリティの確保の重要性。