食中毒予防の原則である「中心温度75℃以上1分以上の加熱」が有効なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
食中毒予防の原則である「中心温度75℃以上1分以上の加熱」は、主に食中毒を引き起こす細菌を死滅させることを目的としています。選択肢の中で、この加熱条件で効果的に予防できるのはサルモネラ属菌による食中毒です。フグ毒、ボツリヌス毒素、黄色ブドウ球菌毒素、毒キノコの毒素はいずれも耐熱性があり、通常の加熱では不活化または分解されないため、加熱による予防は困難です。
選択肢ごとの解説
- 1. フグ毒(テトロドトキシン)は耐熱性があり、通常の加熱では分解されません。正しくは:フグ毒は加熱しても分解されないため、フグの調理は専門の資格を持つ者が行うべきです。選びやすい理由:食中毒の一種ではありますが、加熱による予防策とは関連が薄いため、誤りやすいかもしれません。混同注意:細菌性食中毒と自然毒食中毒の予防法を混同する可能性があります。
- 2. ボツリヌス菌自体は加熱で死滅しますが、菌が産生する毒素(ボツリヌス毒素)は非常に耐熱性が高く、75℃1分程度の加熱では不活化されません。毒素を不活化するには100℃で数分以上の加熱が必要です。正しくは:ボツリヌス毒素は耐熱性が高いため、加熱で確実に不活化するには100℃で数分以上の加熱が必要です。また、ボツリヌス菌は嫌気性環境で増殖しやすいため、食品の適切な保存が重要です。選びやすい理由:ボツリヌス菌という名前から細菌性食中毒と関連づけやすいですが、問われているのは「毒素」であり、その耐熱性を理解しているかがポイントです。混同注意:ボツリヌス『菌』とボツリヌス『毒素』の耐熱性を混同する可能性があります。菌は加熱で死滅しますが、毒素は耐熱性です。
- 3. 黄色ブドウ球菌が産生する毒素(エンテロトキシン)は耐熱性であり、75℃1分程度の加熱では分解されません。正しくは:黄色ブドウ球菌の毒素は耐熱性なので、菌が増殖しないよう食品の適切な温度管理(低温保存)や、調理者の衛生管理が重要です。選びやすい理由:細菌性食中毒の代表例ですが、菌本体と毒素の特性、特に毒素の耐熱性を混同しやすいです。混同注意:黄色ブドウ球菌『菌体』の死滅条件と『毒素』の不活化条件を混同する可能性があります。
- 4. 正解。サルモネラ属菌は熱に弱く、食品の中心温度を75℃以上で1分以上加熱することで効果的に殺菌できます。これは細菌性食中毒の予防策として非常に有効です。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:(正答のため該当なし)混同注意:(正答のため該当なし)
- 5. ツキヨタケなどの毒キノコに含まれる毒成分は、多くが耐熱性であり、通常の加熱では分解されません。正しくは:毒キノコによる食中毒は、毒キノコを食べないことが唯一の予防策です。食用キノコと確実に区別できない場合は採取・摂取を避けるべきです。選びやすい理由:加熱という行為が食中毒予防と関連するため、直感的に選びやすいかもしれませんが、毒キノコの毒素は加熱で分解されないことを知っている必要があります。混同注意:細菌性食中毒と自然毒食中毒の予防法を混同する可能性があります。
国試ポイント
本問題は、食中毒の原因物質(細菌、毒素、自然毒など)と、それぞれの予防策、特に「加熱」の効果の有無について正確な知識があるかを問うものです。細菌性食中毒の一般的な加熱殺菌条件と、耐熱性毒素や自然毒に対する加熱の効果の違いを理解していることが重要です。
混同注意
細菌性食中毒の原因菌と、細菌が産生する『毒素』の耐熱性を混同しやすい。また、細菌性食中毒と、フグ毒や毒キノコなどの『自然毒』の予防法を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、まず問題が『菌本体の死滅』を問うているのか、『毒素の不活化』を問うているのかを区別します。次に、それぞれの病原体・毒素の耐熱性を思い出し、設問の加熱条件で効果があるか否かを判断します。
関連知識
・細菌性食中毒(感染型と毒素型)の分類 ・各食中毒菌の特性(発育温度、毒素産生性、耐熱性) ・エンテロトキシン、テトロドトキシン、ボツリヌス毒素などの特徴 ・食中毒予防の三原則(つけない、増やさない、やっつける)