標準予防策において感染性を考慮しない体液・分泌物はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
標準予防策は、血液、すべての体液(汗を除く)、分泌物、排泄物(ただし、皮膚が損傷していない限り汗は含まない)、損傷した皮膚、粘膜に適用されます。これは、患者の診断や感染状況にかかわらず、すべての患者に適用される感染対策の基本です。汗は、皮膚の正常な機能による分泌物であり、通常、病原体を伝播する危険性が低いとされており、血液やその他の感染性物質で汚染されていない限り、標準予防策の対象とはなりません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。汗は、皮膚の正常な機能による分泌物であり、通常、病原体を伝播する危険性が低いとされています。そのため、標準予防策では、汗自体を感染性のある体液とはみなさず、手袋などの個人防護具の装着は不要とされています。ただし、血液やその他の感染性物質で汚染されている場合は、その汚染物質に対して標準予防策を適用します。
- 2. 尿は、感染性のある微生物(細菌、ウイルスなど)が含まれている可能性があり、尿路感染症などの病原体が排出されることがあるため、標準予防策の対象となります。正しくは:尿は標準予防策において感染性を考慮する体液です。選びやすい理由:排泄物なので感染性が低いと感じるかもしれませんが、病原体の排出経路となり得ます。混同注意:汗と異なり、排泄物であるため、微生物が存在する可能性を考慮する必要があります。
- 3. 髄液は、脳や脊髄を循環する体液であり、細菌性髄膜炎やウイルス性髄膜炎などの重篤な感染症の原因となる病原体が含まれる可能性があるため、標準予防策の対象となります。特に針刺し事故などでの感染リスクが高いです。正しくは:髄液は標準予防策において感染性を考慮する体液です。選びやすい理由:体腔液であり、通常の分泌物とは異なるため、感染性を意識しやすいかもしれませんが、選択肢の中にはより感染性が低いものが存在します。混同注意:血液と同様に、体腔内にある無菌的な環境の体液であるため、感染性が高いと考えるべきです。
- 4. 精液は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、梅毒トレポネーマなどの血液媒介感染症や性感染症の病原体を含む可能性があるため、標準予防策の対象となります。正しくは:精液は標準予防策において感染性を考慮する体液です。選びやすい理由:性行為によって伝播される体液であるため、感染性が高いと認識しやすいでしょう。混同注意:唾液などと異なり、特定の感染症の主要な伝播経路となる体液であるため、感染性を考慮する必要があります。
- 5. 唾液は、口腔内に存在する多様な微生物や、B型肝炎ウイルスなどの病原体が含まれる可能性があるため、標準予防策の対象となります。特に歯科治療や喀血を伴う場合など、血液が混入している場合は感染性が高まります。正しくは:唾液は標準予防策において感染性を考慮する体液です。選びやすい理由:日常的に接触する機会が多い体液であるため、感染性が低いと誤解しやすいですが、飛沫感染や接触感染の原因となり得ます。混同注意:汗と異なり、口腔内の常在菌やウイルスを含むため、感染性を考慮すべきです。
国試ポイント
標準予防策が適用される体液・分泌物の範囲を正確に理解しているかを問う問題です。特に、例外として『汗』が挙げられることを知っているかが重要になります。感染管理の基本的な知識が問われています。
混同注意
汗と、その他の排泄物・分泌物(尿、唾液など)。これらは日常的に触れる機会のある体液であるため、感染性の有無が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後も標準予防策の適用範囲や具体的な実践方法(手指衛生のタイミング、個人防護具の選択など)について問われる可能性があります。また、感染経路別予防策との違いや、特定の感染症における予防策の選択も重要です。
関連知識
標準予防策の5つの要素(手指衛生、個人防護具の着用、患者ケア機器の適切な取り扱い、環境整備、針刺し・鋭利な器材による損傷予防)、感染経路別予防策(接触予防策、飛沫予防策、空気予防策)との違い。