x-R管理図法で管理するのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
x-R管理図は、検査室内の日常的な測定プロセスの安定性を監視するために用いられる統計的手法である。x管理図は測定値の平均値の変動を、R管理図は測定値のばらつきの変動をそれぞれ監視する。標準液の劣化は測定値の系統誤差(平均値のずれ)としてx管理図に、分析機器の異常は測定値のばらつき(R管理図)や系統誤差(x管理図)として両管理図に現れるため、これらの要因を検出・管理することができる。
選択肢ごとの解説
- 1. x-R管理図は、単一の検査室内での測定プロセスの変動を監視するために用いられる。施設間の差は、外部精度管理調査などで評価されるべき項目であり、x-R管理図の直接的な対象ではない。正しくは:外部精度管理調査や施設間比較調査で評価する。選びやすい理由:精度管理全般の知識として、「差」という言葉に引きずられやすい。混同注意:内部精度管理と外部精度管理の目的や適用範囲。
- 2. 正解。標準液が劣化すると、そのロットの標準液を用いた測定値全体に系統誤差が生じ、x管理図の平均値が管理限界を逸脱する要因となる。これは日常的な精度管理で監視すべき内部要因の一つである。
- 3. 検体採取の過誤は、測定前の前処理段階で発生するエラーであり、X-R管理図法のような測定プロセスの統計的品質管理図では直接検出することはできない。管理図はあくまで測定後の結果の変動を評価するものである。正しくは:検体採取プロセスの標準化、手順書の遵守、採取者の教育などで予防する。エラーが疑われる場合は、再検や状況確認によって対応する。選びやすい理由:精度管理全般の重要項目であるため、選択肢として魅力的に映る。混同注意:検査の全工程における品質管理と、測定プロセスに特化した統計的品質管理の範囲。
- 4. 正解。分析機器に異常が発生すると、測定値のばらつき(R管理図)が増大したり、平均値(x管理図)が管理限界を逸脱したりするなど、管理図上に異常な変動パターンとして現れる。これは管理図で監視すべき主要な内部要因である。
- 5. パニック値の検出は、個々の患者検体の測定結果に基づいて臨床的な緊急性を判断するものであり、測定プロセスの統計的品質管理であるx-R管理図の直接的な目的ではない。管理図はプロセス全体の安定性を監視する。正しくは:各項目の臨床的カットオフ値を設定し、異常時には自動フラグ表示や担当者へのアラート、緊急連絡体制を構築する。選びやすい理由:「異常」という言葉から、管理図も異常を検出するものと連想しやすい。混同注意:統計的な品質管理における「異常」と、臨床的な危険値としての「異常」。
国試ポイント
内部精度管理における管理図法の目的と、各管理図(特にx-R管理図)で検出できる誤差要因、および検出できない誤差要因を正確に理解しているかが問われる。統計的品質管理の基礎知識として重要。
混同注意
内部精度管理と外部精度管理の目的・対象、および管理図法で検出できる誤差の種類(系統誤差、偶然誤差)と検出できない誤差(前処理段階のエラーなど)。また、統計的異常(管理限界逸脱)と臨床的異常(パニック値)の区別。
次に同じ論点が出たら
『管理図が何を検出するのか』という根本的な目的(測定プロセスの安定性維持)を再確認する。特に、測定システム自体に起因する変動(試薬、機器)は管理図の対象となり、測定前・測定後の人為的ミスや外部要因は管理図では直接検出できないことを区別して考える。
関連知識
品質管理の基本原則、内部精度管理の実施方法、x-R管理図の読み方、ウェストガードルール、系統誤差と偶然誤差の概念、外部精度管理の目的と意義、前処理・測定・後処理各段階で起こりうるエラーの種類。