最大呼気曲線別冊No.42を別に示す。考えられるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
提示された最大呼気曲線は、横軸が時間、縦軸が気量を示しており、0秒時点から急峻に低下し、その後緩やかにカーブが寝ていく典型的な閉塞性換気障害パターンを示しています。特に、後半の呼気速度の低下が著しく、これは気道抵抗の増大による空気の排出困難を示唆しており、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に特徴的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 間質性肺炎は拘束性換気障害を引き起こします。拘束性換気障害の場合、最大呼気曲線は全体的に肺活量が減少するため曲線が小さくなりますが、閉塞性換気障害のように呼気速度が著しく低下するパターンとは異なります。正しくは:間質性肺炎では肺活量(VC)や1秒量(FEV1)が減少し、FEV1/FVCは正常〜高値となる典型的な拘束性換気障害パターンを示します。曲線全体は小さくなりますが、呼気カーブの形状は比較的保たれます。選びやすい理由:肺疾患の一つであるため、呼吸機能検査の結果と結びつけやすいですが、その曲線パターンが異なります。混同注意:閉塞性換気障害と拘束性換気障害の曲線パターンの違い
- 2. 胸椎後側弯症は胸郭の変形を伴い、拘束性換気障害の原因となります。拘束性換気障害は肺活量が低下し、曲線全体は小さくなりますが、呼気速度の著しい低下を伴う閉塞性換気障害のパターンとは異なります。正しくは:胸椎後側弯症では、胸郭の運動制限により肺活量が減少し、拘束性換気障害のパターンを示します。FEV1/FVCは正常〜高値です。選びやすい理由:呼吸器系に影響を与える疾患であり、換気障害を引き起こすという点で誤って選択されがちです。混同注意:閉塞性換気障害と拘束性換気障害の曲線パターンの違い
- 3. 正解。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、気道の慢性炎症や肺の弾性線維破壊により、呼気時の気道抵抗が増大し、空気を排出しにくくなる閉塞性換気障害の代表疾患です。このため、最大呼気曲線では、初期の急激な呼気排出に続き、呼気後半の排出速度が著しく低下する特徴的なカーブを示し、提示された図と一致します。選びやすい理由:提示された曲線が閉塞性換気障害に典型的なパターンを示しているため、正解として選びやすいです。混同注意:特にありません。典型的所見です。
- 4. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、呼吸筋麻痺により肺活量が減少する拘束性換気障害の原因となります。この場合、最大呼気曲線は肺活量自体が低下するため、曲線全体が小さくなりますが、呼気速度の著しい低下を示す閉塞性換気障害のパターンとは異なります。正しくは:筋萎縮性側索硬化症では、呼吸筋力の低下により肺活量(VC)が減少し、拘束性換気障害のパターンを示します。FEV1/FVCは正常〜高値です。選びやすい理由:神経筋疾患が呼吸機能に影響を与えるという知識から誤って選択される可能性があります。混同注意:閉塞性換気障害と拘束性換気障害の曲線パターンの違い
- 5. 睡眠時無呼吸症候群は、上気道の閉塞によって睡眠中に呼吸が停止する疾患ですが、一般的な呼吸機能検査で閉塞性換気障害や拘束性換気障害のパターンを呈することは稀です。むしろ、日中の呼吸機能は正常であることが多いです。したがって、この最大呼気曲線とは直接的な関連がありません。正しくは:睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の呼吸異常が主体であり、日中の一般的な呼吸機能検査(肺活量、1秒量など)では異常を示さないことが多いです。診断はポリソムノグラフィーによります。選びやすい理由:呼吸に関する疾患であるため、関連疾患として選択肢に入っているものの、直接的な呼吸機能検査の異常パターンとは結びつきにくいです。混同注意:呼吸障害全般と呼吸機能検査の直接的な関連
国試ポイント
最大呼気曲線(フローボリューム曲線や気量時間曲線)のパターンから、閉塞性換気障害と拘束性換気障害を鑑別する能力が問われています。
混同注意
拘束性換気障害と混同しやすいですが、拘束性換気障害では肺活量自体が減少し、最大呼気曲線全体が小さくなりますが、時間経過における呼気速度の低下は閉塞性ほど著しくありません。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、最大呼気曲線(気量時間曲線)の立ち上がりと全体の形状、特に呼気後半の速度低下に注目し、閉塞性換気障害と拘束性換気障害のどちらのパターンに当てはまるかを判断します。また、フローボリューム曲線も合わせて確認し、鑑別を深めます。
関連知識
閉塞性換気障害の代表疾患にはCOPD(慢性気管支炎、肺気腫)や気管支喘息があります。拘束性換気障害の代表疾患には間質性肺炎や胸郭変形(胸椎後側弯症など)、神経筋疾患(筋萎縮性側索硬化症など)があります。フローボリューム曲線では、閉塞性換気障害はscooping out patternを示し、拘束性換気障害は全体が小さくなるが曲線形状は保たれる点が特徴です。