CH50が高値を示す疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
CH50は総補体活性を示し、補体経路のどこかに異常があると低下します。悪性腫瘍では、腫瘍組織の破壊や炎症性サイトカインの産生、免疫複合体の形成などにより補体が消費される一方で、急性期反応としての補体産生が亢進し、結果としてCH50が高値を示すことがあります。他の選択肢の疾患(肝硬変、血管神経性浮腫、SLE、MPGN)はいずれも補体消費が亢進するか、補体産生が低下するためにCH50が低値を示す、あるいはC1-INH欠損により補体消費が亢進する病態であり、CH50は低値または正常を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝硬変では、補体成分の産生能が低下するため、CH50は低値を示す傾向があります。正しくは:肝硬変ではCH50は低値を示す。選びやすい理由:肝機能障害による全身性の異常として漠然と高値を想像するかもしれませんが、補体は肝臓で産生されるため、機能低下は低値につながります。混同注意:急性期反応物質の全体的な上昇と混同する可能性がありますが、補体は肝臓での産生が低下します。
- 2. 正解。悪性腫瘍では、組織破壊や炎症反応の亢進、免疫複合体の形成などにより、補体成分の消費が増加する一方で、補体産生も亢進するため、CH50が高値を示すことがあります。特に特定の悪性腫瘍では補体活性化が強く誘導されることがあります。
- 3. 血管神経性浮腫(遺伝性血管性浮腫 HAE)は、C1インヒビターの欠損や機能異常によって補体経路が過剰に活性化され、C4やC2が消費されることで起こるため、CH50は低値または正常を示すことが多いです。正しくは:血管神経性浮腫(遺伝性血管性浮腫)ではCH50は低値または正常を示す。選びやすい理由:「浮腫」という炎症反応を連想させる病名から、補体活性の上昇をイメージするかもしれませんが、本症では補体消費による低下が特徴です。混同注意:急性炎症反応における補体の役割と混同しがちですが、本症は補体消費亢進型の病態です。
- 4. 全身性エリテマトーデス(SLE)では、免疫複合体の形成とその沈着により補体が持続的に活性化され消費されるため、CH50は低値を示すことが特徴的です。活動期では特に顕著に低下します。正しくは:全身性エリテマトーデス(SLE)ではCH50は低値を示す。選びやすい理由:自己免疫疾患であり炎症反応が強いため、補体活性が上がると考えるかもしれませんが、SLEでは補体消費が亢進し、結果として補体価は低下します。混同注意:急性炎症反応や感染症における補体産生亢進と混同しやすいですが、SLEでは補体消費が主因です。
- 5. 膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)は、補体経路の異常活性化(特に代替経路)が関与する疾患であり、補体成分の消費が亢進するため、CH50は低値を示すことが典型的です。正しくは:膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)ではCH50は低値を示す。選びやすい理由:炎症性の腎疾患であることから、補体活性の上昇を想像するかもしれませんが、本症では補体消費が主な病態です。混同注意:炎症反応としての補体産生と、疾患特異的な補体消費の亢進を混同しやすいです。
国試ポイント
CH50(総補体価)の基準値からの逸脱(高値・低値)と、その主要な原因疾患との関連を理解しているかが問われています。特に、自己免疫疾患や特定の腎疾患でCH50が低下すること、そして悪性腫瘍で高値を示すことがある点を区別できることが重要です。
混同注意
CH50の「高値」と「低値」を示す疾患が混同されやすいです。特に炎症反応が起こる疾患では、急性期反応として補体産生が亢進する場合と、免疫複合体形成などで補体消費が亢進し結果として低下する場合があり、その区別が難しいことがあります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた場合、CH50だけでなく、C3やC4などの個別補体成分の増減と疾患との関連性を問う問題が出題される可能性があります。特に古典経路、代替経路、レクチン経路のいずれが主に活性化・消費されているかという視点での知識が求められるでしょう。
関連知識
CH50は古典経路および代替経路を含む全ての補体経路の活性を総合的に評価する指標です。C3、C4は個別の補体成分の定量値で、CH50と組み合わせて評価されることが多いです。遺伝性血管性浮腫はC1インヒビター欠損症であり、C4が低下します。