標準12誘導心電図(別冊No. 2)を別に示す。所見はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
提示された心電図では、P波に続くPR間隔が次第に延長し、あるP波の後にQRS波が欠落するという周期的なパターンが見られます。この所見はWenckebach型房室ブロック(Mobitz I型房室ブロック)に特徴的です。
選択肢ごとの解説
- 1. この心電図には右脚ブロックの典型的な所見であるV1誘導でのrSR'パターンやV6誘導での幅広いS波は見られません。正しくは:右脚ブロックではV1誘導でrSR'パターン(M字型QRS)と幅広いS波、V6誘導で幅広いS波を認めます。選びやすい理由:脚ブロックは一般的な不整脈であり、選択肢として提示されやすいため、安易に選んでしまう可能性があります。混同注意:左脚ブロックやその他の不整脈との鑑別が難しい場合があります。
- 2. この心電図には左脚ブロックの典型的な所見であるV1誘導での幅広いQS波やV6誘導での幅広いR波(ノッチを伴う)は見られません。正しくは:左脚ブロックではV1誘導で幅広いQS波、V6誘導で幅広いR波(ノッチを伴う)を認めます。選びやすい理由:右脚ブロックと同様に、脚ブロックはよく見られる不整脈であり、選択肢として提示されやすいため、安易に選んでしまう可能性があります。混同注意:右脚ブロックやその他の不整脈との鑑別が難しい場合があります。
- 3. Ⅲ度房室ブロックでは、P波とQRS波が完全に無関係に発生しますが、この心電図ではP波の後にQRS波が続き、PR間隔が徐々に延長していることから、Ⅲ度房室ブロックとは異なります。正しくは:Ⅲ度房室ブロックではP波とQRS波の間に規則的な関連性がなく、P-P間隔とR-R間隔はそれぞれ規則的であるものの、両者の関係は不規則です。選びやすい理由:房室ブロックの一種であるため、他の房室ブロックの型と混同しやすいです。混同注意:Ⅱ度房室ブロック(Mobitz I型、Wenckebach型)やⅡ度房室ブロック(Mobitz II型)と混同しやすいです。
- 4. MobitzⅡ型房室ブロックでは、PR間隔は一定であるにもかかわらず、突然QRS波が脱落します。この心電図ではPR間隔が徐々に延長しているため、MobitzⅡ型ではありません。正しくは:MobitzⅡ型房室ブロックでは、一定のPR間隔を持つP波の後にQRS波が続くが、時にQRS波が突然脱落します。選びやすい理由:房室ブロックの別の型として、Wenckebach型と似ているため、混乱しやすいです。混同注意:Mobitz I型房室ブロック(Wenckebach型)と混同しやすいです。
- 5. 正解。この心電図では、P波の後に続くPR間隔が徐々に延長し、最終的にQRS波が脱落しています。このパターンはWenckebach型(Mobitz I型)房室ブロックの典型的な特徴です。
国試ポイント
標準12誘導心電図の基本的な判読能力が問われています。特に、Wenckebach型房室ブロックの心電図上の特徴を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
様々な房室ブロック(I度、II度Mobitz II型、III度)や脚ブロックとの鑑別が難しい点がポイントです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まずP波とQRS波の関係性、特にPR間隔の変動とQRS波の脱落パターンに注目します。脚ブロックの場合はQRS波の幅と形、軸に注目して判断します。
関連知識
房室ブロックの分類(I度、II度Mobitz I型/Wenckebach型、II度Mobitz II型、III度)とその心電図所見、脚ブロックの心電図所見。