親水性(水溶性)包埋剤はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
親水性の包埋剤は、組織を脱水・透徹することなく直接包埋できるため、酵素活性や脂質を温存したい場合、あるいは水溶性の物質を検出したい場合などに選択されます。選択肢1のゼラチンと選択肢5のカーボワックス(ポリエチレングリコール)は、いずれも水溶性であり、この目的に合致します。パラフィン、セロイジン、エポキシ樹脂は、いずれも疎水性の包埋剤です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ゼラチンは水溶性のタンパク質であり、水系の包埋剤として使用されます。特に酵素組織化学などで、脂質の抽出を避けたい場合や、免疫染色で抗原性を保持したい場合に用いられます。
- 2. パラフィンは疎水性の包埋剤であり、水には溶けません。組織を脱水・透徹した後に使用され、最も一般的な包埋剤です。正しくは:パラフィンは疎水性(脂溶性)の包埋剤である。選びやすい理由:パラフィンは最も一般的な包埋剤であるため、包埋剤に関する選択肢として目につきやすいが、親水性ではない。混同注意:他の包埋剤の種類や、水溶性と脂溶性の区別。
- 3. セロイジンはニトロセルロースの一種で、アルコールやエーテルに溶ける疎水性の包埋剤です。薄切が困難な硬い組織や、連続切片が必要な場合に用いられます。正しくは:セロイジンは疎水性(アルコール/エーテル溶性)の包埋剤である。選びやすい理由:特殊な包埋剤として知られているため、知識が曖昧だと親水性と誤解する可能性がある。混同注意:親水性の包埋剤と、非水溶性だがパラフィン以外の特殊な包埋剤との区別。
- 4. エポキシ樹脂は、電子顕微鏡用の超薄切片作成に用いられる疎水性の包埋剤です。非常に硬く、水には溶けません。正しくは:エポキシ樹脂は疎水性の包埋剤である。選びやすい理由:特殊な用途で使われる包埋剤であり、知識の整理ができていないと水溶性と誤解する可能性がある。混同注意:パラフィン以外の非水溶性包埋剤との区別、特に用途が特殊なもの。
- 5. 正解。カーボワックス(ポリエチレングリコール)は水溶性のワックスであり、水溶性包埋剤として使用されます。脱水や透徹の過程を省略できるため、酵素活性の温存や脂質の温存に適しています。
国試ポイント
包埋剤の種類とその性質(特に水溶性か否か、主な用途)が問われています。水溶性包埋剤の具体例と、その適用場面を理解しているかが重要です。
混同注意
一般的な包埋剤であるパラフィンと、特殊な用途で使われる水溶性包埋剤の区別。また、セロイジンやエポキシ樹脂といった非水溶性だがパラフィン以外の包埋剤も混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、親水性か疎水性かだけでなく、各包埋剤の具体的な用途(例:電顕用、連続切片用、酵素温存用)や、それぞれの包埋剤を用いた場合の組織処理工程の違いについても確認する必要があります。
関連知識
組織処理の工程(固定、水洗、脱水、透徹、包埋、薄切、染色)、各工程で用いられる試薬の種類と役割、それぞれの包埋剤のメリット・デメリット、適用される染色法や観察方法(光学顕微鏡、電子顕微鏡、酵素組織化学、免疫組織化学など)。