Michaelis-Mentenの式について正しいのはどれか。ただし、〔S〕:基質濃度、v:速度、Vmax:最大反応速度、Km:Michaelis定数とする。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Michaelis-Mentenの式において、基質濃度SがMichaelis定数Kmに比べて十分に高い(S >> Km)とき、酵素のすべての活性部位が基質で飽和し、反応速度は最大反応速度Vmaxに漸近します。この状態を次反応領域と呼びます。
選択肢ごとの解説
- 1. Km値は基質濃度を表すため、単位はmol/L、mM、μMなど濃度を表す単位で表現されます。mg/dLは質量の濃度単位ですが、生化学反応では通常モル濃度が用いられます。正しくは:Km値の単位はmol/L、mM、μMなどで表現される。選びやすい理由:mg/dLは一般的な臨床検査で使われる濃度単位であるため、つい選んでしまうかもしれない。混同注意:血糖値やコレステロール値などの臨床検査で慣れ親しんだ単位と混同しやすい。
- 2. 正解。Michaelis-Mentenの式において、基質濃度SがKmに比べて非常に高い場合、酵素の活性部位はすべて基質で飽和し、反応速度はVmaxに漸近します。この状態を次反応領域と呼びます。選びやすい理由:酵素反応の基本中の基本であり、理解していれば迷わず選べる。混同注意:初期反応速度やKm値との関係を混同しやすい。
- 3. Km値は、Vmaxの1/2の反応速度を示すときの基質濃度Sを指します。これはMichaelis-Mentenの式v = (Vmax * S) / (Km + S)において、v = Vmax/2を代入するとS = Kmとなることから導かれます。正しくは:Km値とは、Vmaxの1/2の反応速度を示すときの基質濃度Sを指す。選びやすい理由:VmaxとKmの関係に関する記述であるため、部分的には合っているように見え、数値を間違えやすい。混同注意:Kmの定義における「Vmaxの1/2」という具体的な数値と、他の割合を混同しやすい。
- 4. 基質濃度SがKm値に比べて著しく低い場合 (S << Km)、Michaelis-Mentenの式v = (Vmax * S) / (Km + S)はv ≈ (Vmax * S) / Kmとなり、反応速度vは基質濃度Sに比例します。Vmaxに近似するのはSがKmに対して著しく高い場合です。正しくは:基質濃度SがKm値に比べて著しく低い場合、反応速度vはSに比例する(v ≈ Vmax * S / Km)。選びやすい理由:Vmaxとの関係性を問うているため、正解選択肢の2と混同し、Sの大小関係を逆転させてしまう可能性がある。混同注意:基質濃度が高い場合と低い場合の反応速度の挙動を混同しやすい。
- 5. 終点分析法では、反応を速やかに終点に到達させるために、通常、高い基質親和性(Km値が小さい)を持つ酵素を使用するか、酵素濃度を高めます。Km値が大きい酵素は基質との親和性が低く、同じ基質濃度では反応速度が遅くなる傾向があるため、反応に時間がかかります。正しくは:終点分析法において反応時間を短縮するには、Km値が小さい(基質親和性が高い)酵素を使用するか、酵素濃度を高めるべきである。選びやすい理由:「反応時間を早める」という要求から、何らかの特性を持つ酵素を選ぶというロジックは理解できるが、Km値の大小とその意味を逆にしてしまう。混同注意:Km値の大小が酵素の基質親和性や反応速度に与える影響を混同しやすい。
国試ポイント
Michaelis-Mentenの式の基本的な理解、特にKmとVmaxの定義、および基質濃度と反応速度の関係性を正確に把握しているかが問われる。各パラメータの単位や、具体的な測定法における応用知識も関連して出題される。
混同注意
Km値の定義(Vmaxの1/2)と、基質濃度が低い場合(S<<Km)および高い場合(S>>Km)の反応速度の挙動。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、Michaelis-Mentenの式におけるSとKmの関係性、VmaxとKmの定義、そして各パラメータが酵素反応速度にどう影響するかを重点的に確認する。
関連知識
Michaelis-Mentenの式の導出、Lineweaver-Burkプロット、酵素阻害のタイプとそれらがKmやVmaxに与える影響、酵素活性測定法(連続測定法、終点分析法)。