炎症性肉芽組織に出現しない細胞はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
炎症性肉芽組織は、組織修復の過程で形成されるもので、線維芽細胞の増殖、コラーゲン産生、マクロファージやリンパ球などの炎症細胞の浸潤、そして新生血管の形成が特徴です。これに対し、平滑筋細胞は血管や臓器の固有の構成細胞であり、通常の炎症性肉芽組織においては主要な構成細胞として出現することはありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 好中球は急性炎症の主役ですが、炎症が持続し肉芽組織が形成されるような慢性炎症の段階でも、感染などが残存している場合には浸潤が見られることがあります。正しくは:好中球は炎症性肉芽組織にも出現し得るため、正答ではありません。選びやすい理由:好中球は急性炎症のイメージが強いため、慢性的な肉芽組織ではもう存在しないと誤解しやすいかもしれません。混同注意:急性炎症の初期に大量に出現する細胞という認識が強いと、慢性化し肉芽組織になった段階では見られないと誤解する可能性があります。
- 2. リンパ球はマクロファージとともに慢性炎症の中心的細胞であり、炎症性肉芽組織の形成に深く関与しています。正しくは:リンパ球は炎症性肉芽組織に出現するため、正答ではありません。選びやすい理由:慢性炎症の指標として広く認識されているため、この選択肢が正答だと考える受験生は少ないでしょう。混同注意:T細胞やB細胞といったリンパ球の種類ごとの詳細な役割と混同することは、この問題においてはあまり考えられません。
- 3. 線維芽細胞は、肉芽組織の主要な構成要素としてコラーゲンなどの細胞外マトリックスを産生し、組織の修復と瘢痕形成に不可欠な細胞です。正しくは:線維芽細胞は炎症性肉芽組織に出現するため、正答ではありません。選びやすい理由:肉芽組織が線維化の基盤となることを考えると、線維芽細胞が主要な構成細胞であることは容易に理解できます。混同注意:筋線維芽細胞との区別で迷うかもしれませんが、ここでは単に「線維芽細胞」として肉芽組織の主要な細胞と認識されます。
- 4. 正解。平滑筋細胞は血管壁や消化管などの臓器に存在する固有の細胞であり、炎症性肉芽組織の主要な構成細胞として通常出現することはありません。肉芽組織の線維化過程で筋線維芽細胞が出現することはありますが、これは平滑筋細胞とは異なる細胞です。
- 5. 炎症性肉芽組織は、損傷部位への酸素や栄養供給のために新生血管(毛細血管)が豊富に形成されることが特徴であり、その新生血管を構成する血管内皮細胞は肉芽組織に必須の要素です。正しくは:血管内皮細胞は炎症性肉芽組織に出現するため、正答ではありません。選びやすい理由:肉芽組織が「豊富な新生血管」を持つという特徴を理解していれば、この選択肢が正答であるとは考えにくいでしょう。混同注意:血管新生のプロセス自体と混同することはないでしょう。
国試ポイント
炎症性肉芽組織の主要な構成細胞とその役割に関する基本的な知識が問われています。特に、肉芽組織に特徴的に見られる細胞(線維芽細胞、マクロファージ、リンパ球、血管内皮細胞など)と、そうでない細胞(平滑筋細胞など)を正確に識別できるかが重要です。
混同注意
平滑筋細胞と筋線維芽細胞を混同する可能性があります。筋線維芽細胞は線維芽細胞が分化したもので、瘢痕収縮に関与し、肉芽組織の成熟過程や線維化において出現します。しかし、平滑筋細胞そのものが肉芽組織の主要な構成要素として出現するわけではありません。
次に同じ論点が出たら
肉芽組織の構成細胞の具体的な機能や、肉芽組織が形成される病態(例:結核性肉芽腫、異物肉芽腫など)について問われる可能性があります。また、肉芽組織の成熟過程における細胞変化や、瘢痕形成との関連性も重要な論点です。
関連知識
炎症の分類(急性・慢性)、細胞浸潤の種類、組織修復の機序、肉芽腫との違い、各細胞の役割(好中球、リンパ球、マクロファージ、形質細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞など)、血管新生のメカニズム。