腎糸球体障害の指標となる検査項目はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
血清クレアチニンと血清シスタチンCは、ともに腎臓の糸球体で濾過される物質であり、血中濃度を測定することで糸球体濾過量(GFR)を推定し、糸球体機能障害の程度を評価するために用いられます。尿中NAGや尿中β2-ミクログロブリンは主に尿細管の障害を示す指標であり、血清エリスロポエチンは腎臓の造血機能を示す指標です。
選択肢ごとの解説
- 1. エリスロポエチンは主に腎臓で産生されるホルモンですが、その測定は腎臓の造血機能障害(貧血)の指標であり、糸球体障害の直接的な指標ではありません。正しくは:腎臓の造血機能障害の指標となる。選びやすい理由:腎臓に関連するホルモンであるため、腎機能障害の指標と誤解しやすい。混同注意:糸球体機能ではなく、腎臓のホルモン産生機能と混同しやすい。
- 2. 正解。血清クレアチニンは、主に筋肉で生成され、腎臓の糸球体で濾過されて体外に排出される老廃物です。糸球体機能が低下すると、クレアチニンの排泄が滞り、血中濃度が上昇するため、糸球体濾過量(GFR)の指標として広く用いられます。
- 3. 正解。シスタチンCは、すべての有核細胞でほぼ一定の速度で産生されるタンパク質で、糸球体で自由に濾過され、尿細管で再吸収・分解されます。糸球体機能が低下すると、血中濃度が上昇するため、血清クレアチニンよりも早期に、また筋肉量や食事の影響を受けにくい糸球体濾過量(GFR)の指標として注目されています。
- 4. 尿中NAGは、主に腎臓の尿細管細胞に存在する酵素です。尿中にNAGが検出されるのは、尿細管細胞が障害を受けていることを示すため、糸球体障害の直接的な指標ではありません。正しくは:尿細管障害の指標となる。選びやすい理由:腎臓の検査項目であるため、糸球体障害と誤解しやすい。混同注意:糸球体障害と尿細管障害を混同しやすい。
- 5. β2-ミクログロブリンは低分子量のタンパク質で、糸球体で自由に濾過された後、ほとんどが尿細管で再吸収されます。尿中にβ2-ミクログロブリンが増加するのは、尿細管の再吸収機能が障害されていることを示すため、糸球体障害の直接的な指標ではありません。正しくは:尿細管障害の指標となる。選びやすい理由:腎臓の検査項目であり、低分子量タンパク質であるため、糸球体障害と誤解しやすい。混同注意:糸球体障害と尿細管障害を混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、腎臓の各部位(糸球体、尿細管、内分泌機能)の障害を反映する検査項目を正確に区別できるかを問うものです。特に糸球体機能と尿細管機能の指標を混同しないことが重要です。
混同注意
腎臓の検査項目全般(糸球体機能、尿細管機能、内分泌機能など)を混同しやすい。特に、糸球体濾過の指標と尿細管再吸収障害の指標の区別。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合は、各検査項目が腎臓のどの部位のどのような機能障害を反映しているのか、その特異度と感度、そして他の因子による影響(例:筋肉量、食事)についても注意して選択肢を評価する。
関連知識
腎機能検査の種類とそれぞれの意義(糸球体濾過量(GFR)推定マーカー、尿細管機能マーカー、腎性貧血マーカーなど)。慢性腎臓病(CKD)の診断基準と重症度分類。